オランダ政府観光局からHowTravel利用者へのメッセージ

オランダ政府観光局日本地区局長の中川晴恵さん

2018/01/17 更新

中世の色を残す街並みと、最新技術/芸術が街を彩るハイブリッドな国オランダ。世界中の旅行者から人気が高まっています。オランダの魅力や我々旅行客が知っておきたいことなどを、オランダ政府観光局日本地区局長の中川晴恵氏にインタビューしてきました。


オランダ政府観光局日本地区局長の中川晴恵さん
オランダ政府観光局 日本地区局長
中川 晴恵 氏

1990年オランダ政府観光局入局。2008年より現職。

テロの危険性や対策について教えてください
テロの脅威は完全には排除できないという前提はありますが、オランダではこれまで大きなテロ事件は発生していません。これには、オランダの文化に一つの要因があると思っています。

テロは、昔やってきた移民の2世や3世が、社会に適合できずに起こしてしまうケースが多いのですが、オランダでは人種の差別をしないという社会的風潮が昔からあり、うまく移民が社会に溶け込むことに成功しています。

オランダは、17世紀頃に東インド会社を筆頭に世界の海を制覇し海洋大国になりました。「黄金の時代」と呼ばれているこの頃から、既に異文化交流が盛んで、多様な文化を受け入れる土壌が醸成されていきました。今では国の憲法で、人種差別を禁止しているほどです。

また、オランダの社会には共存共生の風土があり、人々が社会に対して不満を持ちにくいと言えます。

実は、オランダの国土の約1/4は干拓地なのです。13世紀頃から国土を広げるために干拓地を作っていきました。もちろん個人でできる規模ではなく、全員で協力して作業する必要があります。オランダ社会に今も流れる共存共生の思想は、このような歴史を背景にして醸成されていきました。今でも、共生の思想は健在で、例えば民泊サイト「Air B&B」はオランダにおいて早くから盛り上がりましたし、Uberや、自宅のリビングルームの貸し出しなど、様々な「シェア」を軸としたサービスが普及しています。

また、英紙エコノミストの調査機関である「エコノミスト・インテリジェンス・ユニット」が発表する治安ランキングでは、ヨーロッパ諸国の中で最も安全な世界6位にランクインしており、とても高い評価を受けています。テロの脅威を完全に消し去れることはありませんが、必要以上にびくびくする必要はないと思います。スリなどの犯罪に対しては、適切に対処してくださいね。


■Safe Cities Index 2017(世界の都市安全性指数ランキング)
国名 2017年ランキング
東京(日本) 1位
シンガポール(シンガポール) 2位
大阪(日本) 3位
トロント(カナダ) 4位
メルボルン(オーストラリア) 5位
アムステルダム(オランダ) 6位
シドニー(オーストラリア) 7位
ストックホルム(スウェーデン) 8位
香港(中国) 9位
チューリヒ(スイス) 10位
(データ参照元:The Economist公式HP

オランダの特徴とは?
芸術の充実が大きな特徴の一つです。オランダは、ゴッホ、フェルメール、レンブラント、エッシャー、モンドリアン、日本でも有名なキャラクターであるミッフィーの生みの親であるディック・ブルーナなど、有名な芸術家を多く輩出している国で、オランダの美術館ではたくさんの名画やデザインを見ることができます。また、芸術家たちの故郷や育った街並みを見ることもできますよ。

また、アムステルダムの旧市街は、16世紀17世紀の街並みが広がっていて、運河で囲まれた旧市街が世界遺産になっています。「北のベネチア」と呼ばれることもあるように、主要駅の裏手は大きい船舶が乗り入れられる港になっていますし、街中には運河が流れ、水上交通も盛んです。

オランダ政府観光局日本地区局長の中川晴恵さん

オランダを楽しむコツを教えてください。
近年、世界中の旅行者から人気が高まり、アムステルダム市内のホテルの値段が高騰しています。そのため、オランダ旅行の際はアムステルダム郊外のホテルで安く快適に宿泊することをお勧めしています。オランダは交通が発展しており、ユトレヒトやハーグなどは電車で30分ほどなので、観光にも支障ありません。それに、商人の街として発展してきた国際都市であるアムステルダムに比べ、地方都市はゆっくりできると思いますよ。

また、サイクリングでの観光もオランダを楽しむコツの一つです。オランダでは、自転車専用道路が非常に充実していて、自転車でしか行けない場所があります。車では入れない素晴らしい風景を見ることができます。街にはレンタサイクルの店が沢山ありますし、ホテルでも借りられる場合もあります。不安な方は、サイクリングツアーに参加されると良いかと思います。たくさん催行されていて、オランダ人ガイドがサポートしてくれるので安心ですよ。

じっくり美術館巡りをしたい場合は、冬に訪れるのがお勧めです。チューリップが咲き乱れる春のハイシーズンですと、観光客で混雑していますが、冬などのあまり観光客がいない時期に美術館に行くとゆったりと絵画を楽しむことができます。フェルメールの代表作「真珠の耳飾りの少女」を独り占めして眺めることも夢ではありませんよ。

郊外の村にも注目です。JATA(日本旅行業協会)によるヨーロッパの美しい村30選に選ばれた「ヒンデローペン」や、藁ぶき屋根の家が特徴的な「ヒートホールン」、ドイツとの国境沿いにある城塞都市「ブルタング」など、魅力的な村が沢山あります。アムステルダムと郊外の村では雰囲気がガラッと変わりますので、アムステルダムだけで満足せず、本当のオランダを堪能したいのであれば、田舎にも行ってみてください。オランダの原風景が広がっていますよ。

オランダはどんな人にお勧めですか?
グローバルな視点を持っている方にお勧めです。

オランダという国のライフスタイルを見て頂きたいです。田舎に行ってみたり、自転車で回ってみたりと、自分の目で見て頂ければと思います。

オランダ政府観光局日本地区局長の中川晴恵さん


HowTravel読者へのメッセージ
オランダというとチューリップ畑や風車など、牧歌的なイメージがあると思いますが、行ってみると全く違う感動が待っていると思います。意外性を期待して来て頂けると良いでしょう。

また、異文化を受け入れてきたという背景もあり、食事が美味しいと評判です。オランダ料理のイメージはあまりないかと思いますが、多国籍料理を中心として、美味しい料理も楽しめますよ。

是非オランダにいらしてください。

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