概要
スペイン王が愛した美術品の数々
ナポリの街を見下ろす丘の上に、国立カポディモンテ美術館は堂々とそびえたっている。
国立カポディモンデ美術館は、ナポリ・ブルボン家のカルロ7世(後のスペイン王カルロ3世)が母から受け継いだ美術品コレクション「ファルネーゼ・コレクション」を展示するための場所であった。カルロの母はイタリアの名門貴族・ファルネーゼ家の出身であり、膨大な美術品を代々所持していることで知られていた。
母から息子へ受け継がれた美術品はその後順調に数を増やしていき、君主制が終わった1950年には国立美術館として公開されるようになった。
館内1階は陶磁器美術館、王族たちが暮らすアパートメントのサロンスペースとなっている。
そして、2階-3階がメインである絵画館だ。無数のファルネーゼ・コレクションを楽しみながら、当時の絵画の流行や技術進歩が見て取れるスポットである。
また美術館の前には緑ゆたかな公園が広がっているため、美術鑑賞はもちろん、家族連れやカップルものんびりと過ごすことができる。
館内は非常に広く、コレクションの数も多い。
そのため、訪れる際は半日くらいの時間的余裕を持って入場した方がよいだろう。
もし時間を割けない場合は、メインである2-3階の美術品に絞って見学することをおすすめする。
見どころ
①中世の絵画が一堂に会する空間
国立カポディモンテ美術館において、一番の見どころである絵画館は2階-3階にまたがり広がっている。
2階では16-17世紀に活躍した画家たちの宗教画をメインに展示しており、カラヴァッジョの「キリストの鞭刑」をはじめ、ボッティチェリの「聖母子と天使」、パルミジャーノの「アンテア」など、世界的に有名な絵画が集まっている。
3階は19-20世紀のコレクションだ。ドメニコ・モレッリ、ヴィンチェンツォ・ジェーミトなどの著名な画家・彫刻家の作品群が並ぶ他、現代アートの公開も行われている。
絵画館では卓越した表現技法もさることながら、神々しくダイナミックな雰囲気を持つコレクションの数々に、訪れた人は思わず心を打たれることだろう。
一枚一枚に秘められた画家の思いや当時の歴史的背景に思いを巡らせながら、濃密な時間を過ごせるはずだ。
②華麗なる王族たちのすみか
国立カポディモンテ美術館の1階にあるのは、王族アパートメントのサロン。カルロ7世創設による王立磁器工場で作られたカポディモンテ焼きの食器、武具などが展示されている。
また画家が描いたブルボン家王族の肖像画、風景などが展示されている。
最も広いのが宴会用サロンで、豪華なシャンデリアが見下ろすスペース。
バルコニーには腕利きの演奏者を招き、贅沢な時間を過ごしていたようだ。
新古典主義の技術を尽くした華やかな内装は、まるで中世の王族になったような気持ちにさせてくれる。
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(Photo by Armando Mancini Antonio Manfredonio)
国立カポディモンテ美術館へのアクセス
国立カポディモンテ美術館にアクセスするには、ナポリ中央駅(Stazione di Napoli Centrale)からメトロを使うのがよい。
駅からの直行便はないため、カヴール(Cavour)駅で下車後バスに乗り継ぎ、(ミアーノ)Mianoバス停で降りた後徒歩で向かうことになる。
ナポリ中央駅(Stazione di Napoli Centrale)・メトロL2線-カヴール駅(Cavour)で下車
カヴール駅からバス137番、160番、178番のいずれかに乗りミアーノ(Miano)バス停で下車