ベルリンの壁半日観光ツアー
日本語ガイドの解説を聞きながら、ブランデルブルク門やポツダム広場、壁博物館を歩いて回る午前のプラン。「壁」というベルリンを語る上では欠かせない要素を軸に、戦争について、ベルリンの過去と未来について深く学ぶことができる。住所
Pariser Platz 10117 Berlin
Sバーン1号、2号、25号線Berlin Brandenburger Tor駅
料金
無料
営業時間
24時間
休業日
年中無休
HP
http://www.berlin.de/orte/sehenswuerdigkeiten/brandenburger-tor/
フランス語、英語、ドイツ語、イタリア語
目次
古代ギリシャを彷彿とさせる、ベルリンのシンボルとも言える門。
砂岩でできたこの建造物は、ドイツ古典主義様式の中でも最も優雅で美しいとされている。高さ26メートル、幅65.5メートル、奥行き11メートルの堂々とした威容を誇る。また、正面にあるパリ広場は「ベルリンの応接間」と呼ばれ、多くの外国人を感嘆とさせている。夜になるとライトアップされ一層華やかになる他、門を利用したプロジェクションマッピングが行われる事も。来訪の際にはイベント情報をチェックしておきたい。
建築家カール・ゴットハルト・ラングハンスによって古代ギリシャ風に設計され、1791年に竣工。ベルリンの西にある都市、ブランデンブルクにつながる門なのでこの名称が付いている。勝利の女神が出迎えるデザインは、アテネのアクロポリスの入り口にあった門、プロピュライアがモデル。もともとはベルリンを囲む18の関税門のひとつで、1868年に多くの門が取り壊されていく中で残された唯一の都市門である。
門の前と後ろは6本の巨大なドリス様式の円柱が支えており、5列の通路に分かれている。門の上にはゴットフリート・シャードウによる彫刻、四頭立ての馬車(クワドリガ)と勝利の女神(ヴィクトリア)像が据えられている。
この門を巡って、多くの戦いの歴史が紡がれている。もともと平和を象徴する「平和門」だったはずが、完成すると間も無くナポレオン・ボナパルトがベルリンを制圧。その際に門の上部に飾られたヴィクトリア像はフランスの手に渡ってしまい、広場とこの門はフランス軍のパレードで埋め尽くされた。ヴィクトリア像がベルリンの手に戻ったのはナポレオン戦争の後だ。またこの時に、ヴィクトリアの手に持つ杖に鉄十字紋章が付け加えられることになった。
ブランデンブルク門が更に知られるようになったのは、東西ドイツの分断だ。この門は東ドイツに取り込まれ、すぐ側にベルリンの壁を築かれる事になった。また、ヴィクトリア像に付けられた鉄十字紋章はナチスを連想させるという事で、代わりにオリーブの杖を持たされることなる。門の周りにあった建物は破壊され、人のいない閑散とした状態で放置されてしまう。1987年にこの門で行われたベルリン750周年記念式典にて、当時のアメリカ大統領ロナルド・レーガンがソビエト連邦のゴルバチョフ書記長に向けて「この壁を壊しなさい!」と訴えたスピーチは有名である。
この門が再び通行可能になったのは、東西ドイツが統一された1989年。杖には鉄十字の紋章が戻り、現在のホテルアドロンや大使館などが建てられ、地域にも活気が戻ってくる。2000年からは大幅な修復が行われ、今では多くの観光客で賑わうスポットである。
ブランデンブルク門の正面に広がるパリ広場は、ベルリン有数の美しい広場として有名だ。ナポレオンがベルリンを制圧して以来、ブランデンブルク門は勝利のシンボル、凱旋の場として知られることとなり、カレ広場からパリ広場に改称されて今に至る。広場の周辺にはアメリカ大使館、フランス大使館、ドレスナー銀行、高級ホテルのアドロンなどが立ち並び、洗練された空間を形作っている。連日観光客で賑わうスポットでもあり、ぜひとも足を運びたい。
ブランデンブルク門の袖には「Raum der Stille」(静寂の部屋)と呼ばれる場所が存在する。特別な展示や美術品が飾られている訳ではなく、中にあるのは「静寂」。観光地の喧噪が全く入ってこない無音の状態が広がっている。
この部屋は、全ての人が人種や階層の違いを越えて沈黙を享受できるようにと、ベルリンの壁崩壊後に市民運動によって作られた空間だ。もともとは平和門として建設されたブランデンブルク門。さまざまな歴史の舞台となったこの門の側で、静寂に包まれながら歴史や平和について思いを寄せてみるのも貴重な経験になるだろう。
ブランデンブルク門の近くには、ベルリンの主要なショッピング街のひとつ、フリードリッヒシュトラーセもあり、ショッピングや食事をする場所に事欠かない。また、第二次世界大戦中に大量虐殺されたユダヤ人への哀悼を捧げるモニュメント、「ホロコースト記念碑」も徒歩圏内だ。旅の目的に合わせて周辺施設を巡りたい。
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