概要
ハノイの歴史が層を成す古城の遺跡
タンロン遺跡は、ハノイで今なお発掘の続く大きな遺跡群だ。1000年代から1800年代まで、ベトナムを支配した王朝が城を置き続けた場所であり、1000年以上に渡る遺跡が、時間とともに文字通り「積み重なっている」という稀有な遺跡だ。2010年、ユネスコの認定する世界文化遺産に登録されている。
「タンロン」は、漢字で「昇龍」と書き、現在の「ハノイ」を指す言葉だ。すし詰めの混雑を見せる路地から一歩入れば、静謐な空間が広がる。喧騒に疲れたら、タンロン遺跡をふらりと散策してみてはいかがだろうか。
見どころ
①戦時下の緊迫感が伝わる地下会議場
1010年、ベトナム李王朝が城を建ててから、1802年のフエ遷都まで、一貫してベトナム王朝の都であったタンロン遺跡。時は流れ、ベトナム戦争時の1967年から、このタンロン遺跡はベトナム共産党の軍部の中心地として使われたという歴史も残っている。タンロン遺跡の「D67の家」と呼ばれる建物がそれだ。ベトナム戦争の極秘会議は、この会議室で行われたという。現在、D67の家も公開されており、当時の会議室の様子をそのままに見学することができる。書き込みの加えられたベトナム周辺の地図、将軍や書記長などの当時の最有力者達のネームプレートなど、緊迫した会議の様子を当時のままに感じることが出来る。さらに、D67の家には、爆撃に耐えるための強固な地下室・地下道も備え付けられていた。地下に深く伸びる階段、厚い扉など、当時の緊張した空気が伝わってくる。
②未だに発掘が続く作業現場を見学
タンロン遺跡の発掘が本格的に始まったのは、2003年のこと。世界文化遺産に登録されたのも2010年と、注目されるようになったのはつい近年になってからのことだ。発掘はまだ完了しておらず、世界中から広告学者や歴史学者などが集まり、今なお発掘研究を続けている。タンロン遺跡では、その発掘現場も見学することができるのだ。発掘現場には、簡易的な屋根をつけたもの、床面がガラスでできた足場が組まれており、ガラス越しに発掘現場を見学できるものなど、見学者にも配慮した作りになっている。地面に埋もれた遺跡群が掘り出されている様子は、発掘が完了する前の今だけしか見られない貴重な光景だと言えるだろう。
旅のプロ直伝 タンロン遺跡観光のポイント
旅工房トラベル・コンシェルジュ
ベトナム担当
加納 有華
提携パートナー
日中は暑いので、14時-15時頃の日差しが落ち着いた時間に行くのがベスト。かなり広い敷地なので、歩きやすいスニーカーで行くのがおすすめです。遺跡内には戦時中に利用していた会議室や王宮の名残があり、ベトナムの歴史を感じることができます。まだまだ発掘途中の遺跡なので、数年後また訪れた時には新しい発見があるかもしれません。何度も訪れたくなる遺跡です!
編集部一押しの観光プラン
世界遺産ハロン湾を堪能する、幻想的な贅沢クルーズ
【ハノイ発・日帰り】世界遺産ハロン湾クルーズ
ベトナムきっての景勝地、世界遺産のハロン湾を日帰りで観光する超人気プラン。エメラルドグリーンの海から奇岩が突き出す様子は非常に幻想的だ。ホテル送迎付きで移動がスムーズ、風を浴びながらのクルーズランチもうれしい。
➡ 詳細はこちら
ハノイ旅行者の必読記事
(Photo by Alex Bir*** innis22mara Greg Willis Duyphuong)
タンロン遺跡へのアクセス
タンロン遺跡は、ホーチミン廟のほぼ向かいに位置する。
ホーチミン廟やホーチミン博物館に来た際に、徒歩で回ると簡単だ。
旧市街からも歩いてアクセス可能だ。
・バスで行く場合
バス停Đối diện Hoàng Văn Thụ停留所から徒歩10分程度。入場用の入口はあまり大きくないので、見落としに注意しよう。
予算:ホアンエキム湖からVND7,000-
バス時刻:20分間隔で運行
時間:バス停から10分程度
・ツアーで訪れる場合
近隣のホーチミン廟などに比べるとややマイナーな観光地であり、ツアーに組み込まれていないことが多い。バスやシクロをチャーターするタイプのツアーであれば、近辺に来た際に簡単に立ち寄れる。
ツアー例:乗用車・ガイドチャーター、4時間コース
予算:USD60.00-(乗用車チャーター、ガイドを含む)
時間:4時間-