グラナダ洞窟フラメンコ・ショー
フラメンコ発祥の地とも言われるグラナダ。世界遺産サクロモンテ地区にある洞窟型のタブラオで、情熱の舞台を観賞しよう。演者と観客席の距離は非常に近く、手を伸ばせば届きそうな位置で大迫力のダンスを見ることができる。住所
Calle Real de la Alhambra, s/n, 18009 Granada
アルタリア高速鉄道Granada駅
ヌエバ広場からバスで30番、32番線Alhambra停留所下車すぐ
料金
・昼(午前/午後)の部
€14
12歳-15歳は€8
・夜間の部 ナスル朝宮殿見学
€8
・夜間の部 ヘネラリフェ見学
€5
・庭園見学(ナスル朝宮殿以外の全エリア見学可)
€7
※12歳未満は無料
営業時間
・昼の部:午前
8:30-14:00
・昼の部:午後
10/15-3/14は14:00-18:00
3/15-10/14は14:00-20:00
・夜間の部(ナスル朝宮殿見学と庭園見学の2種類のみ)
10/15-3/14は20:00-21:00
3/15-10/14は22:00-23:30
休業日
12/25、1/1
HP
http://www.alhambra-patronato.es/
英語、スペイン語
目次
グラナダにはじめて観光にきた場合、誰もが絶対に訪れるのがこのアルハンブラ宮殿だろう。ユネスコ世界遺産にも登録されているこのアルハンブラ宮殿は、グラナダのみならずスペイン南部でも最大の観光地だ。イスラム王朝の王(スルタン)が代々生活した宮殿であり、最後の王はこのアルハンブラ宮殿を「地上の楽園」と呼んでいたほど。赤茶色のレンガ造りの建物は独特の美しさを湛えている。
なお、アルハンブラ全体では非常に大きな構造物なので、相応の所要時間がかかる。じっくり見るには丸一日かかることもあるので、時間と体力に余裕を持って訪れるようにしよう。ちなみに、クラシックギターの名手であるタレガがアルハンブラ宮殿への旅を経て作曲した「アルハンブラの思い出」も有名。宮殿を尋ねる前に試聴してみるのもお勧めだ。
この宮殿は、スペインがイスラム支配下にあった9世紀に建設されたもの。最初から宮殿として計画されていたわけではなく、当初は軍事施設としてのみの運用だった。その後増設を繰り返し、13世紀から15世紀末までイスラム王朝の王がここで生活した。
しかしその後、イベリア半島では奪われた土地を取り戻そうとキリスト教国が蜂起。レコンキスタ(国土奪還運動)が起こり、1492年グラナダのイスラム王朝は陥落する。ここアルハンブラ宮殿は、レコンキスタが完了した歴史ある場所なのだ。スペインを追い出されたイスラム王朝の遺物がスペイン屈指の観光地となっていることは、なかなかに皮肉な話だが、イスラムとキリストの文化が混ざり合った独特の美しさは今なお人を惹き付けて止まない。
アルハンブラ宮殿を訪れたからには、絶対に見逃せないのが「ナスル朝宮殿」。アルハンブラ宮殿の中核をなす建物であり、実際に王たちが住んでいた場所だ。宮殿内には行政と司法が執り行われていたメスアールの間などもあり、王にとって政治と生活の両方の拠点だったことが窺える。
精巧な装飾を施された壁や張り巡らされたタイル等、内部には至る所にイスラム建築特有の空気が満ちているので、ヨーロッパ建築とはまた違った装飾美を堪能できる。なお、アルハンブラ宮殿全体の中でもこのナスル朝宮殿だけは入場制限があるため、スムーズに観光する為には事前予約をしておこう。
また、装飾美という観点からは、「二姉妹の間」も忘れてはならないだろう。ここで注目すべきは天井だ。幾何学的な八角形の鍾乳石装飾は、ほかに類を見ないほどの精巧さ。じっと眺めていると飲み込まれてしまいそうになる。
どこの王宮もそうであるように、アルハンブラ宮殿にも美しい庭園がいくつかある。いつの時代も権力者は美しい景観を欲していた。イスラム王たちの愛した庭園を満喫すれば、昔から人間の本質は変わらないのだと実感できるのではないだろうか。
特に有名なのは、「ヘネラリフェ」。アルハンブラ宮殿の敷地内にあるこの離宮は、イスラム王朝の時代には夏の別荘として使用されており、花壇と噴水に彩られた美しい中庭が魅力だ。現存する南スペインのイスラム建築では、最も美しいものだとされている。
また、負けず劣らず人気なのが「バルタル庭園」だ。こちらは大きな池が特徴で、水面にナスル朝宮殿をきれいに映し込むように設計されている。水と緑と人工物との調和は非常にモダンで、ヨーロッパ的な美のあり方にも影響を与えたことが窺える。
アルハンブラはもともとは軍事施設として計画されていた。その初期に建設された軍事施設の部分が「アルカサバ」と呼ばれている。
アルハンブラ宮殿を構成するほかの宮殿群や庭園群と比べると、アルカサバはどうしても無骨に映り、王宮特有の華やかさのようなものとは無縁だ。しかし、原点がここにあったということは、アルハンブラを語る上では見落としてはいけないポイントだろう。あくまでも城塞都市としての役割を持ちながら発展したという部分に、イスラム教とキリスト教が対立していたグラナダの歴史が象徴されているのだ。
また、アルカサバ内にある「ベラの塔」の頂上からはグラナダを一望することができるので、こちらはビュースポットとしても人気を博している。
宮殿建築を味わえるスポットとしては、カルロス5世宮殿も必見だ。ドーリス式とイオニア式の融合した建築物はミケランジェロの弟子マチューカによるもので、このグラナダの地ならではの独特の建築美を実現している。一階部分は宮殿の芸術作品等を集めて展示した博物館になっている。ナスル朝宮殿の入場時間を待つにも良いだろう。また、中庭は毎年夏に開催されているグラナダ国際舞踊音楽祭の会場にもなっている。
スペインには、古城や宮殿等の由緒ある建物を宿泊施設に改修したパラドールと呼ばれる高級ホテルチェーンがある。その中でも特に人気なのが、アルハンブラ宮殿の敷地内にあるパラドール「パラドール デ グラナダ」だ。15世紀に建てられたサンフランシスコ修道院を改修したパラドールで、当時の面影が残る繊細な内装も要チェック。人気ホテルなので宿泊予定日の3ヶ月以上前から予約しておくのがお勧めだ。
アルハンブラ宮殿は夜間にも限定で入場する事ができる。ライトアップされた宮殿や庭園は昼とはまた違ったムードが漂い、独特の趣がある。明かりは極力抑えられて神秘的な雰囲気を醸し出しているが、その分スリやひったくり等の被害に遭わないよう十分注意しよう。また、ライトアップされた宮殿全体を眺めたいのなら、サン・ニコラス展望台がお勧めだ。
グラナダ洞窟フラメンコ・ショー
フラメンコ発祥の地とも言われるグラナダ。世界遺産サクロモンテ地区にある洞窟型のタブラオで、情熱の舞台を観賞しよう。演者と観客席の距離は非常に近く、手を伸ばせば届きそうな位置で大迫力のダンスを見ることができる。グラナダは古い街であるため、観光の中心となるエリアでは鉄道が発達していない。高速鉄道のGranada駅は中心街から遠いため、観光の際にはタクシーやバスを利用することになる。ただし、アルハンブラ宮殿に関しては国内でも屈指の観光スポットであるため、グラナダ市内のほかの観光地に比べれば随分アクセスは容易だ。
アルハンブラ宮殿は入場可能な時間帯や見学できる場所が分かれているので、予め公式ホームページからチケットを予約しておくか、ツアーに申し込むのがお勧めだ。また、前売り券が売り切れてしまった場合にも、現地のヘネラリフェ入口にあるチケット売り場で当日券を狙うことができる。チケット売り場が開くのは8時。なるべく早い時間から並んでおこう。
チケットが手に入ったら、いよいよ宮殿内部へ。ただしヘネラリフェ入口は時間に厳密で、午前の部・午後の部それぞれの時間にならないと入場する事ができない。反対側にある裁きの門からはチケットの種類に限らずいつでも入場できるので、早めに到着した場合にはそちらに向かおう。ネット等でチケットを予約して発券が済んでいない人は、ヘネラリフェ入口に立ち寄って発券手続きをするのを忘れずに。
アルハンブラ宮殿内ではほぼ全ての建物が入場制限なく見学できるが、ナスル朝宮殿だけは予約時に入場制限があり、時間が指定されている。ナスル朝宮殿は時間厳守。少しでも遅れると入場できなくなってしまう。広大なアルハンブラ宮殿内での混雑や移動時間も考慮して、入場時間より最低30分-1時間は早く到着しておきたい。
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