マレーシアは国際都市であるクアラルンプールを有し、英語が公用語であるという利点もあって、世界中の企業が進出している。日本企業の支社か、現地企業かを問わず、現地で働く日本人も多い。

所得も高く、比較的治安も良いことから、海外で働きたい日本人にとって、マレーシアは非常に有力な国だ。そこで、実際にマレーシアで仕事をしている現地在住日本人に、日本人に、マレーシアで仕事を見つけるためにしたこと、待遇、日本との違いを聞いてみた。

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目次

マレーシアで働くという事

(現地在住ライター 山口尚代

●企業選びのポイント

マレーシア国内で仕事を探す上での取捨選択項目に「母体の国がどこであるか」という点がある。日本であれは、外資系か否かというところだが、マレーシアではこの4つに分類できる、①日系、②中華系、③マレー系、④それ以外だ。仕事を探す際の希望職種や待遇以外にマレーシアで働く上で重要なキーになってくる要素である。

マレーシア国内資本の企業でも中華系企業なのかムスリム企業なのかによって経営方針や物事への考え方もまったく違う、実際に面接に出向いただけでもその違いははっきりとわかるであろう。もちろん、仕事を探す上で日本人は日系が有利ではあるが、せっかくの多民族国家、さまざまな環境の企業も候補にしてみたい。

●待遇面

待遇面ではマレーシア国内の労働基準法や給与規定が採用されるため、資本によって大きな差があることは少ない。

給与面についてはマレーシアで働く外国人の一定の基準を満たす人物であれば最低月給が決まっており、その最低月給は現地の平均を大きく超える。そのため生活面で不便を感じたりすることはあまりない。

ただ注意する点としては、多くの外国人が働く国であるため外国人の所得税や就労許可の発行などが流動的でビザの発給が止まることもしばしばある。就労許可の取得代金、提示された給与額面から所得税を引いた金額などを書面できちんと把握して内定を受諾するようにしたい。

※2017年9月以降、就労ビザカテゴリー1に属する外国人の最低給与は月額RM10,000(1RM=約26円)となる予定

●言語面

実際に働くことになると「英語」の壁が高く感じるかと思うかもしれない。たしかに英語も公用語であるマレーシアだが、欧米で勤務する際に求められるビジネス英語までは実際のところ必要とされない。

マレーシアは国家を挙げてIT産業のASEANハブ拠点としての地位を確立しようとさまざまな政策が行われている。そのため世界的な企業のデータセンター機能であったりカスタマーセンターなどのオフショア拠点が多数存在し、そういった企業の中では少なくないポジションで「日本語」というスキルが求められている場合もある。

言語以上に実務で必要となってくるのは「伝える力」だ。どんなにその分野において優れているとしても、その技術や想いを相手に伝えそれを汲み取ってもらえらければビジネスは成り立たたない。それは語彙力であったり、正確な発音ではなく、「あなたにわかって欲しい」という熱量だ。

宗教も価値観も違う相手に日本と同じ基準で「Must」「Should」を一方的に送ってもそれはなかなか届かないものである。物事を多角的にとらえ、寛容に吸収し相手の欲するものを理解する。日本よりも忖度が求められる場合が多いのかもれない。

また、日本ではあまり見かけることのなくなった社内の交流も盛んで夕方になるとあちらこちらのカフェやレストランで同僚とテーブルを囲む姿を目にする。人間関係を肩肘張ることなく作ることができればとても快適な環境である。

●マレーシアで働くという事

ここからはあくまで私が見ているマレーシアだが、この国はプラスの方向にもマイナスの方向にもアグレッシブだ、民族間の小さなトラブルをはじめ妬みもやっかみも全部表に出てくる、ただ過去の終わった事は忘れ、笑顔で先のことを考える姿勢には尊敬を覚える。

日本を離れこの国で働いてスローガンだけではない、「楽しく働く」を体感している。海外で働くという事は苦労も当然伴うものであるが、それ以上に言葉では言い尽くせない成長を得ることができる大きなきっかけと捕らえぜひ挑戦してもらいたい。

まずはマレーシアの案件に強い転職エージェントに登録しよう

(HowTravel編集部)

希望通りにマレーシアで働くことができるかどうかは、結局のところ求人案件次第である。マレーシアで働くことに少しでも興味があるのなら、ひとまず海外の求人案件に強い転職エージェントに登録して、自分の経歴や志向に合わせた案件を紹介してもらおう。エリアや職種、給与水準がある程度分かるようになれば、いっそう具体的にマレーシアでの働き方や実際の生活がイメージできるはずだ。

以下の記事で、海外案件に強いおすすめの転職エージェントを紹介しているので参考にして欲しい。

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