韓国は日本から最も近い国だ。コリアングルメやK-POPなどのコリアンカルチャーの人気は今もなお高い。韓国語を勉強したので韓国で働いてみたいという人も多いだろうが、実のところ、日本人が韓国で働くのはかなり難しいと言われている。

しかし、韓国には韓国人ではない外国人にこそ勤まる仕事も多くある。この記事では、韓国で働くためになにをすればいいのかを解説する。また、実際に韓国で働いている日本人に体験談を語ってもらった。

目次

韓国の仕事事情

(HowTravel編集部)

●現在の求人マーケット事情

2019年現在、韓国は深刻な就職氷河期を迎えている。特に20代の失業率は日本の2倍以上の約10%と報じられており、韓国人でさえ正社員として望んだ企業に就職することは難しい。

外国人であればなおさらだ。日本と取引のある韓国の企業は多く、日本語のスキルを求められる場面もあるが、ビザのサポートをしなければならない日本人よりも、日本語を話すことができる韓国人のほうが企業としては雇いやすい。韓国で働くという希望を叶えるには、まず韓国に支店を持つ日本国内の企業に就職し、駐在員を目指すほうが近道の場合もある。

しかしその一方で、日本人を雇用したいと望んでいる企業も決して少なくはない。それどころか、日本人を雇いたいのに応募が集まらないと嘆いている企業もあるほどだ。そういった企業を効率よく見つけ出し、積極的にアピールしていくことが成功の鍵と言えるだろう。

●給与や労働時間等の条件

①給与
アルバイト以外の給与は基本的に年俸制で、月あたりの相場は170万ウォン〜250万ウォン(15〜23万円)である。優遇される職歴がある場合や、昇進した場合はもちろんこの限りではない。

日本と同じく、韓国でもエンジニアは求められており、相場よりも給与が高い傾向にある。職種別の給与相場は以下の通り。

職種 給与相場
営業 200〜250万ウォン(約20〜25万円)
事務 180〜220万ウォン(約18〜22万円)
カスタマーサポート 180〜220万ウォン(約18〜22万円)
技術者 250〜300万ウォン(約25〜30万円)
日本語教師 160〜200万ウォン(約16〜20万円)

なお、企業によって違いはあるが、正社員の場合はボーナスが年に3回あり、約1ヶ月分の給与が支給される。昇給は1年に1度で、約3〜5%アップすると言われている。

また、通勤費が支給されることはないが、運賃は日本よりも安いのでさほど気にならないと思われる。ユニークなのは、毎月定額で昼食代が支給されることだ。韓国人は非常に食事を大切にしており、仕事でランチに行く時も複数人で行くことが多い。

②勤務形態
日本と同じく、9時~18時や9時30分~18時30分など、休憩1時間実働8時間の会社が多い。残業や休日出勤は日本よりも多く、社会問題にもなっている。

③福利厚生
1年以上勤務する場合、韓国の四大保険である国民年金、健康保険、雇用保険、産業災害保険に加入することになる。日本と同様、外国人であっても国民年金に加入しなければならない。

大企業になると、これらに加えて子供の学費補助金や資格取得支援が出たり、社員旅行が開催されることもあるようだ。

韓国で仕事をするうえで必要な能力

●語学力

韓国で仕事をしたいのならば、ネイティブレベルの韓国語が求められることを覚悟しておこう。韓国の企業が日本人に向けて求人を出している場合、韓国語を理解し、話せるというのが応募条件の大前提だ。

中には、応募資格を明確に定めている企業もある。韓国語のレベルを証明することもできるので、韓国語能力試験(TOPIK)の6級以上を予め取得しておくことをおすすめしたい。
※韓国語能力試験とは、大韓民国政府(教育省)が認定・実施する唯一の韓国語(ハングル)試験(詳細はこちら

また、韓国語の能力はもちろんのこと、日本語の能力も必要だ。韓国の企業が日本人に期待しているのは、韓国語を正しく、自然で、わかりやすい日本語に訳す能力であるケースが多いからだ。

韓国には、日本語を上手に話せる韓国人がたくさんいる。それでも日本人を雇いたい、と思わせるには、完璧な日本語を使いこなせねばならない。母国語だからとあぐらをかかず、日々勉強する努力を惜しまないことが大切だ。

加えて、英語や中国語もある程度理解し、話せるようにしておくと、一気に選択の幅が広がる。韓国に限った話ではないが、確かな語学力は最もあなたの味方になってくれるだろう。

●学歴

韓国は世界にも類を見ない学歴社会である。企業の中には、四年制大学卒業を応募の条件としている場合が多い。

特に、日本語教師のように日本語を教える職に就きたいのであれば四年制大学卒業だけでは不十分で、修士号や博士号も必要になってくる。中途、新卒関係なく、いかなる場合でも最終学歴を問われるケースが多いので、事前に卒業証明書を用意しておき、すぐに提出できるようにしておこう。

では、四年制大学を卒業していない場合、韓国で就職はできないのかというと、そうではない。確かに選択肢は狭まるが、韓国に留学している日本人のサポートや、観光地の案内、日本人が利用することが多いレストランや居酒屋などの飲食店などは就労ビザの条件もゆるい傾向にあり、学歴関係なく挑戦することが可能だといえる。

●職歴

理想としては、日本での職務経験はあるほうがいい。韓国での長期滞在経験があり、韓国の文化に慣れ親しんでいるとなおのこといい。なぜなら、よほどの大企業でない場合、雇える日本人の枠が1人分しかない場合が多く、前任者からの引き継ぎや研修などを十分に行うことができないため、自分から能動的に仕事を覚え、慣れていくしかないからだ。

基本的なビジネスマナー、電話対応やPCの操作、ビジネスメールの作成などはすでに経験している社会人、つまり即戦力であることが望ましい。留学中にアルバイトをしながら韓国語や韓国の文化を学び、そのまま現地で就職するというパターンが多いのはこのためである。

韓国での仕事の見つけ方


韓国ウォン

●仕事の探し方

まずは入社を希望する会社を探し出そう。韓国の仕事を探す方法は様々で、主に以下のような方法がある。

なお、企業によって差はあるものの、現地採用の場合は決定後1週間以内に出社できる人材を求めていることが多いので、稀ではあるが、現地で就職活動をしておいたほうが有利な場合もある。その場合は、現地で発売されている雑誌や新聞などに日本人向けの求人情報が出ていることもあるので、あわせてチェックしたい。

①日本人向けのコミュニティサイト、求人情報サイトを使う
コネスト
韓国の情報に特化したコミュニティサイト。「生活・交流掲示板」の中からジャンル「働く」を選ぶと、在国日本人に向けた求人情報が数多くある。アルバイトから正社員まで幅広く、また気軽に連絡できるようになっているので、とにかく韓国で働いてみたい、という場合にはぜひチェックしてほしい。

ソウルナビ 
韓国の情報に特化したコミュニティサイト。「交流・留学・生活掲示板」に在国日本人に向けた求人情報が数多くある。日本語を使うアルバイトの募集が多い。

KJ-JOB 
日本、韓国に限定した求人情報を提供しているサイト。事務、営業、技術、その他にカテゴライズされており、その求人の多くは正社員である。

②韓国の就職ポータルサービスに登録する
どれも数多くの求人が紹介されている。キーワードを「일본인(日本人)」に絞ると、効率的に日本人向けの求人を見つけることができる。

JOBKOREA 
正社員がメイン。

saramin 
正社員がメイン。

albamon 
アルバイトがメイン。

③人脈を使う
韓国就職に向けて最も近道なのは、韓国にいる知り合いを経由して仕事先を紹介してもらうことだ。あるいは、SNSを経由して積極的に韓国の日本人経営者に連絡を取り、働かせてほしいと直談判するのも悪くないだろう。

④駐在員になる
記事の冒頭に記したとおり、現在韓国は就職氷河期であり、日本人が韓国で就職するのは難しい。韓国で働きたい人にとって、最も可能性の高い求職手段の一つが日本企業の韓国支社駐在員になることだ。

ただし、駐在員の枠も当然ながら限られているため、必ず韓国で仕事ができるとはいえず、また、何年待つことになるかもわからない。せっかく韓国の駐在員になれたとしても、会社の都合ですぐに日本に戻らなければいけない、というケースも考えられる。こういったデメリットを踏まえた上で、駐在員採用に強い就職先を探すのも手段としてあるだろう。

⑥転職エージェントに相談する
現地の求人サイトや、現地在住日本人向けの情報サイトで求人情報を探すことで、理想とする就職先が見つかる可能性は大いにある。しかし、それらの求人情報は自国民、またはすでに永住権や就労ビザを取得している人が対象である場合が多く、まだビザを取得していない人や、韓国での就職活動の知識が乏しい人には難易度が高いケースがほとんどだ。

そこでおすすめしたいのが、転職エージェントに相談するという方法だ。経歴やスキル、希望の条件や将来の展望に合った求人情報を提供してくれるだけでなく、経験豊富なエージェントであれば、履歴書の添削から面接対策を行ってくれるだけでなく、ビザの取得までサポートしてくれることもある。

以下の記事で、海外案件に強いお勧めの転職エージェントを紹介しているので、ぜひ参考にして欲しい。

●日本人が働きやすい職種

韓国には多くの日本人が訪れるため、日本人であること自体が立派な武器となる。

・翻訳
最も給料が良い。日本語と韓国語、どちらも堪能な人材が多いので、競争率は高い。また、華やかな音楽業界での翻訳などは事務所に所属していないと基本的にはできず、そういった場で活躍しているフリーの翻訳家はごく一部。ホームページや商品の翻訳などが主になる。

・ショップ店員
日本人が多く訪れるショップだと、なおのこと採用されやすい。

・免税店店員
日本人にも大人気の韓国の免税店。日本語、韓国語はもちろん、中国語、英語も必須になるので、語学に自信があるならぜひ挑戦してもらいたい。

・ホテル関連
免税店店員同様、マルチリンガルである必要がある。また、他の職業に比べて給料が良いため、人気が高い。

・旅行会社関連
日本人向けのプランを組む、という需要がある。

●希望の仕事が見つかったら(面接や給与交渉)

韓国で働くには、正社員であろうとアルバイトであろうと、「履歴書」と「自己紹介書」が必要になる。「履歴書」はA4サイズが一般的で、韓国式の履歴書は韓国の文具店に約500〜1,000ウォンで売られているが、「履歴書」も「自己紹介書」も、ほとんどの求人サイトはフォーマットを無料でダウンロードできるようになっている。

日本では馴染みのない「自己紹介書」は、読んで字のごとく、自分がどんな人間なのかをわかりやすく紹介する資料だ。こちらもA4サイズが一般的で、1〜1枚半程度でおさめるとよい。書き終わったら、必ずネイティブに確認してもらうようにしよう。

<履歴書の項目>
1.写真貼付欄
2.姓名・印
3.住民登録番号
日本人の場合は外国人登録番号(在日韓国人は居所申告証番号)またはパスポートNO
4.生年月日(西暦)
5.年齢(満年齢)
6.住所
7.電話番号
8.Eメール
9.携帯番号
10.戸籍関係
※韓国では戸籍制度が2008年から廃止されたが、履歴書には記入する慣習が未だに残っている。配偶者の有無を確認するためのものでもあるため、日本にある戸籍の戸主を記入しておけばよい
11.年月日
※各種学校の入学日や卒業日、資格の取得日などの年月日を記入する。
12.学歴及び職歴事項
※学歴、職歴の順で記入する。韓国では一般的に、学歴欄には小中学校については書かず、高等学校以降についてのみ記入する。
13.資格証などの発行機関名
14.資格及び特記事項
※資格や特記事項があれば、学歴・職歴の下に続けて記入する。
15.以上
※日本の履歴書と同じく最後に「以上」と記入する。
16.作成日・作成者名・印

<自己紹介書>
「自己紹介書」には決まった形式がないので、以下のような基本的な項目を押さえつつ、自分のアピールポイントがしっかり伝わる内容にできるよう心がけたい。

ウェブサイトに「履歴書」や「自己紹介書」を登録する場合、タイトルのみが表示されることになるので、採用担当者が思わずクリックしたくなるような、魅力的でインパクトのあるタイトルにする必要がある。

1.タイトル
2.成長過程
3.性格(長所・短所)
4.学校生活
5.志望動機
6.入社後の目標
7.職歴事項
8.作成者名・印

書類が通ったら、いよいよ面接である。面接では、自分がどれだけ真剣に韓国で働きたいかをはっきりと伝えよう。

求人情報の中に明確な給与が記載されていない場合、希望の年俸についても必ず聞かれるので、韓国の給与の相場は絶対に事前に把握しておきたい。その上で、希望よりも多めに答えるのが大切だ。ほとんどの場合、企業側は希望の年俸よりも金額を下げる。なお、交渉時の年俸は税金が引かれる前であることも頭に入れておきたい。

また、就労ビザに関しても面接時にきちんと確認しておこう。内定が決まれば、入社するまでに企業側が就労ビザの取得についてサポートしてらえるのが基本的なので、会社がビザを発給できる条件を満たしているか、発給までの十分なケアをしてくれるのかを見定める必要があるからだ。個人が韓国で就労ビザを取得するのはかなり難しいので、まずは希望の就職先からの内定を勝ち取ることに専念しよう。

就労ビザについて


韓国のビザ

●就労ビザの種類

ビザの種類は以下の通りである。

ビザ名 取得目的
C-3(短期総合) 短期留学(90日以内)
D-2(留学) 専門大学・大学・大学院留学
D-4(一般研修) 長期留学(91日以上)
D-7(駐在) 駐在
D-8(企業投資) 駐在
E-2(会話指導) 語学学校講師
E-5(専門職業) 現地企業で働く
E-7(特定活動) 現地企業で働く
F-6(結婚移民) 結婚して韓国に住む
H-1(観光就労) 観光しながら働く(ワーキングホリデー)

韓国で働く日本人が比較的多く取得するのは、日本企業の駐在員が取得するD-7(駐在)とD-8(企業投資)、日本語教師として働く場合に必要になるE-2(会話指導)、韓国の一般企業で働く場合に必要になるE-7(特定活動)になる。

●就労ビザの取得方法

・D-7(駐在)、D-8(企業投資)について
D-7(駐在)は、その名の通り日本から派遣されて韓国内で働く駐在員たちが取得するビザである。日本の企業に1年以上勤務している者が、韓国の支店、駐在員事務所、現地関連法人などに派遣される場合に申請することができる。駐在員の代わりに代理人が申請を行うか、駐在員本人が申請を行うかの違いがあるが、いずれに場合でも企業側がサポートしてくれるので安心していい。

なお、外国人登録は必ずしなければならないので、韓国に入国したら入国管理事務所に向かうことを忘れないように。必要な書類は以下の通り。

・ビザ申請書類
・パスポートのコピー
・派遣命令書および在職証明書
・写真1枚(縦4.5cm×横3.5cm)
・履歴書または経歴証明書
・事業者登録証のコピー
・納税証明書
・招請事由書
・営業資金導入実績の証拠書類(事業計画書など)
・韓国の事務室賃貸借契約書のコピー
・東京本社の登記簿謄本
・設置許可書のコピー(支社または連絡事務所の場合)
・登記簿謄本(支社の場合)
など

D-8(企業投資)は、外国人投資企業の経営者や現地でベンチャー企業を起業する設立者などが取得するビザである。いずれも、国が定めた基準に達する優秀な人材であることが求められる。一般的には資本金が1億ウォン(約約970万円)のあればビザを取得できると言われている。

この資本金は日本人1名ごとに必要になる。なお、2名以上でビザを取得し、韓国人を5名雇い、韓国の四大保険に加入すると、1名分の資本金が免除される。

代理人に韓国で申請してもらう、自分自身で韓国に入国し申請する、韓国大使館に行って直接申請する、という3つの方法があるが、自分自身で韓国に入国し申請する際、就労ビザを取得していないと申請が認められないケースが極稀にあるそうなので、注意しておきたい。必要な書類は以下の通り。

・査証発給申請書
・招へい理由書
・パスポートのコピー
・派遣命令書および在職証明書
・写真1枚(縦4.5cm×横3.5cm)
・履歴書
・外国人投資企業登録証のコピー
・事業者登録証のコピー
・登記簿謄本
・納税事実証明書または営業資金導入実績書類
など

・E-2(会話指導)、E-7(特定活動)について
韓国においては、こういった就労ビザを日本人に発行する場合、雇い入れる側の企業が国に対して「労働者本人の身元証明」と「韓国人ではなく、わざわざ日本人を雇わなければならない理由の確固たる説明」を行わなければならず、発給されるまでのハードルはかなり高い。そのため、本人にビザを取得する条件が備わっているのはもちろんのこと、企業側がビザの取得に協力的であるかが重要なポイントとなる。

また、就労ビザを取得する条件の中には、「勤め先に関連する大学を卒業していること」や、「勤め先に関連する業種、かつ業務の経験があること」などもある。つまり、法学部出身で法律に関わる仕事をしていたがファッションに興味があるので韓国ではアパレルショップの店長になりたい、という希望はまず通らないと思っていい。

なお、自分で用意する必要がある書類には以下のようなものがある。詳しくは、管轄の大韓民国総領事館に問い合わせてみよう。

・退職証明書(日本で就職していた場合)
・大学の卒業証明書
・大学の成績証明書
・証明写真
・パスポート
・外国人登録証
など

韓国での暮らし


韓国での生活
無事に仕事先が決まり、就労ビザも取得できたら、次に気になるのは韓国での暮らしについてだろう。実は、韓国の物価はここ10年上昇傾向にあるのに賃金は変わらないのでアルバイトだけで生活していくのは難しい、という現状がある。

賃貸方式も日本と違い、入居する時に高額の「保証金」を支払う。相場は約500万〜1,000万ウォン、日本円にして約50〜100万円。その「保証金」から家賃が引かれていくため、月々で換算すると家賃はかなり安いと言える。もし一般的なマンションを購入するとなると、日本の相場とあまり変わらないと思っていい。

あくまで一例だが、実際の生活費は家賃50万ウォン(約5万円)、食費50万ウォン(約5万円)、交際費30万ウォン(約3万円)、光熱費8万ウォン(約8,000円)、交通費5万ウォン(約5,000円)、その他20万ウォン(約2万円)、合計163万ウォン(約16万3千円)くらいになるだろうか。正社員であれば月収は180万ウォン(約18万円)以上が見込めるので、十分生活していけるだろう。

韓国の物価情報はこちら

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韓国で働く日本人の体験談

(現地在住ライター キム・ハナ

韓国は日本と近く、日本と取引をしている会社も数多いので、他の国と比べると日本語ネイティブを求めている会社は多いのではないかと思う。なので就職にそれほど苦労したという印象は今までなかったが、それ以上に韓国で就職にあたり、決め手となったのは「人脈」だった。私も最初の就職こそ自力で就職はしたが、全5社勤めたうちの3社は知り合いが紹介してくれたり、誘ってくれたりして就職できた会社だ。もちろん人脈だけで就職できるのではなく、最低日常会話程度の韓国語能力は必須である。

職種にもよるが、日常会話程度の韓国語ができれば就職できるところが多いように思う。とはいえ韓国は能力の高い人が多いので、外国語(韓国語)+αの、自分の強みを持っていることが重要だと働いていて感じた。

日本とさほど物価が変わらないのにも関わらず、給料はどこも大体正社員で月15万円ほど、ボーナスはなし。そのかわりに1年以上勤めると1年毎に基本給の1ヶ月分が積み立てられ、退職金はその積立金を受け取ることができる。

休日についてはほとんど週5出勤だが、隔週土曜は出勤するところもまだまだ多く、祝日も日本に比べて少ないので、休みは日本よりも少ない。ただ、仕事中の雰囲気は日本ほどオンオフの差はなく、スマホをたまにいじるくらいではお咎めもないし、割と頻繁におやつタイムが開かれたりするくらいなので、雰囲気は日本よりは緩く働きやすいのではないかと思う。

韓国で働くことに興味があるのであれば、まずどのような案件があるかを確認しよう

ここまで韓国での仕事の見つけ方について説明してきたが、希望通りに韓国で働くことができるかどうかは、結局のところ求人案件次第である。韓国で働くことに少しでも興味があるのなら、ひとまず海外の求人案件に強いサイトに登録して、自分の経歴や志向に合わせた案件を紹介してもらおう。エリアや職種、給与水準がある程度分かるようになれば、いっそう具体的に韓国での働き方や実際の生活がイメージできるはずだ。

当然ながら、日本での求人に比べて海外求人案件は少ない。くわえて、求人サイト内で非公開となっているものも多い。なのでまずは複数サイトに登録し、それぞれのサイトの非公開求人を見てみることから始めよう。

海外の求人案件に強く、日本に拠点がある主な求人サイト・エージェントは以下の通り。

①JAC Recruitment

JACのウェブサイト

<サイトの特徴>
1975年イギリスで創業、コンサルタントの人数は約550名、業界最大規模の転職エージェント。世界10ヵ国で日系企業、外資系企業、各国のローカル企業などに対し人材紹介事業を幅広く展開している。スタッフレベルのポジション以上、年収500万円以上のスペシャリスト、マネジメント層、グローバル人材に向けた求人に特化していることが特徴。日系企業や日本法人のある外資系企業の、海外勤務案件や海外駐在案件が得意。

国名から求人情報を検索することもできる。各国のコンサルタントの知識とスキルが高く、利用者からの評判は極めて高い。

<サイトの利用方法>
まずは会員登録をして求人情報を探す。国ごとに求人情報を検索できるので、海外で勤務したい場合は国名から選ぼう。外資系企業やグローバルな人材を求めている企業の求人情報も豊富なので、語学力を活かしたい人や駐在員を目指している人は、コンサルタントにそのように伝えること。

自分の希望とマッチした求人情報が見つかったら、履歴書添削や面接対策、スケジュール調整などのサポートを受けながら採用選考を受けることになる。

JAC Recruitmentの公式サイトはこちら

②ロバート・ウォルターズ

ロバートウォルタースのウェブサイト

<サイトの特徴>
1985年にイギリスで設立された人材紹介会社。2000年には東京オフィス、2007年には大阪オフィスが設立され、現在では世界30ヶ国の主要都市にオフィスを構えている。キャリアアドバイザーは全員バイリンガル、中には外国人もいるので、転職活動をしながら語学力を磨くこともできる。

外資系企業、日系のグローバル企業の求人情報に強く、またスタッフレベル以上、年収500万円以上の高収入所得者に向けた求人情報が多いので、優れた職歴やスキルを持つ人材には特におすすめだ。履歴書の添削や面接の受け方の指導など、アフターフォローも充実している。登録した情報を元に、スカウトメールが届くこともある。

<サイトの利用方法>
外資系企業や日系のグローバル企業の求人情報が豊富なので、語学力やスキルを活かしてそういった企業に務めたい場合は、希望する職種や給与を元に求人情報を検索しよう。海外での就職を目指す場合は最初に会員登録をして、海外で働きたいことや希望の勤務地などをキャリアアドバイザーに伝えよう。勤務地が海外の求人情報は少ないので、各国の求人情報について熟知しているキャリアアドバイザーにまずは相談しよう。

ロバート・ウォルターズの公式サイトはこちら

その他の国の働き方