日本の市場ずしが外国人向けにわさびを増量していた問題が差別・いやがらせではないかと話題になっている。10月11日には消費者問題の取材で有名な韓国人TVディレクターのイ・ヨンドン氏が市場ずしに突撃取材し、謝罪を要求する等、発生から期間が経過してもなかなか沈静の動きを見せない。この韓国人ディレクターはスタッフを引き連れ、アポなしで市場ずしに取材をかけ、店側が騒動以降わさびを別皿で提供していることを知るや、「韓国人にわさびを付けて提供しないのは差別ではないか」などと騒ぎ立た上で、今回の騒動についての謝罪を要求した。

この市場ずしの騒動と韓国人ディレクターの謝罪要求は実際のところ韓国でどのように受け止められているのか。韓国在住ライターがリポートする。

スポンサーリンク

目次

韓国内でも大きく報道 韓国人ディレクターに否定的な意見が多い

(現地在住ライター キムヒョンジ

大阪のわさび寿司問題だが、当初三大テレビ局の一つであるSBSがニュース番組で取り上げ、多くの韓国国民が知る事となった。その後は、ほぼ全てのメディアで取り上げられ、このわさび寿司以外の嫌韓行為と疑われる被害を受けたと言う話が数多く出て来た。

このわさび寿司問題だが、当事者である市場すしの謝罪文が、市場すしのホームページ上に掲載され沈静化に向かっていた。そこへ、韓国のテレビプロデューサーでキャスターも務めるイ・ヨンドン氏が市場すしにアポ無し取材をし、執拗に謝罪を求めるという出来事が有った。このイ・ヨンドン氏だが、かつて「食べ物Xファイル」という番組のプロデューサー嫌キャスターとして出演していた。この番組は、食品の偽装や不正を暴くという趣旨の番組で、番組内でイ・ヨンドン氏にやり玉に挙げられた飲食店や、中小の食品メーカー等は経営が行き詰まり倒産する事さえ有った。

当初は、不正を暴く正義の人というイメージで人気を得ていたが、彼の発言が根拠と裏付けの無いままに放送されていると問題にもなった。そして、とある回の放送で、ヨーグルトを問題にしたのだが、特定のメーカーのみをやり玉に挙げる内容だった。その後しばらくして、彼はそのヨーグルトメーカーのライバル会社のテレビCMに出演したのだ。これには批判が集中し、彼は番組を降板し活動自粛をすると発表した。

そして、存在を忘れかけられていた彼の今回の行動である。誰一人として彼を支持する者はおらず、他のメディアも冷ややかな反応だったため、彼の行為自体を知らない市民がほとんどだ。起死回生を狙ったのかもしれないが、逆に墓穴を掘ったかたちだ。最近ではこの問題は、ほぼ沈静化されてきているので、今後何事も無い事を切に願うばかりだ。

韓国では、わさびテロ問題は沈静化に向かっている

(現地在住ライター キムハナ

大阪市場ずしのわさび寿司の件については、韓国では「わさびテロ」として大きく報道されている。韓国人の反応としては、大多数が「日本は好きだったのにがっかりした」「先進国なのにどうして?」「もう日本には行かない」という否定的な意見が多い。その中でも少数「韓国でも観光客に対してのぼったくりはひどい。人のふり見て我がふりも直すべき」などの意見もある。

ここで韓国人の市場ずしのイメージはどん底に落ちたかと思いきや、意外にもこのわさびテロ以降市場ずしを訪問する韓国人が多いという話を聞いた。 実際はどうなのか、自分の目で確かめてみたいという好奇心旺盛な韓国人も一定数いるようだ。

このわさびテロに関連し、ある韓国人ディレクターが寿司店に謝罪を要求したという動画まで掲載された。これに対しては意外にもその取材を決行したディレクターに対する批判が多かった。礼儀もないしやっていることが的外れ、この動画で韓国人のイメージが悪くなると言うものだ。実はこのディレクターは過去に韓国内でもいろいろと失態を犯しているらしく、そのせいで「どうせ話題作りや炎上商法だろう」という冷静な意見が多い。

現在、わさび寿司のニュース自体は少しずつ鎮火しつつあるものの、わさびテロに続き韓国人を相手とした通り魔暴行なども発生し、在大阪韓国領事館が警告を出すほどであるので今も大阪の「嫌韓ニュース」は後を絶たない。

韓国に暮らす日本人としては非常に悲しいニュースである。両国の人間がお互いにネガティブなイメージばかりを持たず、親しい関係を築ける日を願うばかりだ。