トイレの花子さんや口裂け女、メリーさん等など、日本には定番の都市伝説・怖い話がある。海外でも同様に国民に広く知られている都市伝説・怖い話はあるのか。海外現地在住ライターがリポートする。

スポンサーリンク

目次

【アメリカ】目が合ったら最後…!不気味な黒づくめの男「スレンダーマン」

(現地在住ライター 長谷川サツキスレンダーマン(LilliphineBlack)

真夜中に鏡の前で3回名前を呼ぶと現れるという血濡れの女性「ブラッディー・メアリー」、車に乗せたはずの女性が煙のように消えてしまう「消えるヒッチハイカー」…。日本に負けず劣らず、アメリカも都市伝説や怖い話が盛りだくさんだ。

その中でも若い世代でひときわ有名な都市伝説が「スレンダーマン」だ。細身で異様に背が高く、真っ黒なスーツに身を包んだのっぺらぼうという不気味な男で、目を付けた子供をさらっていくのだという。またスレンダーマンと目が合うと精神に異常をきたしてしまうとも言われている。もともと話の火付け役となった写真は2009年にオンライン上で投稿されたフィクションだったのだが、これをきっかけにスレンダーマンの目撃証言が次々と出てきてインターネットやSNSであっという間に拡散され、いまや立派な都市伝説へと成長した。私の同僚でもスレンダーマンの存在を信じている人は多く、スレンダーマンを信じた少女たちによる傷害事件まで発生している。また2012年にはスレンダーマンをテーマにしたゲームも発売された。

都市伝説としては比較的歴史の浅いスレンダーマンだが、今や歴代の都市伝説たちに並んでトップ10に入るほどになった。今も昔も都市伝説や怖い話といったたぐいは、人を魅了してやまないようだ。

【台湾】幽霊屋敷が多数点在!

(現地在住ライター 山田純台湾の民雄鬼屋(Alexander Synaptic)

日本人にとって怖い話と言えば、夏の風物詩のようなところがあるが、台湾では夏になると怪談話や都市伝説で盛り上がるよりも「そういうこと」が身近に感じられるようになる、と言ったほうが正しいかもしれない。

と言うのも旧暦の7月は台湾では「鬼月」と呼ばれ、霊界の門が開き、多くの霊が彷徨う月なのだ。「鬼」は日本の鬼とは違い、霊を意味する。その霊の彷徨う「鬼月」中は「夜中に洗濯物を干してはならない」、「引越しや結婚などは避けなければならない」など、様々なタブーがある。そして多くの台湾人がその決まりごとを生真面目に守るのだ。つまり、台湾の人々にとって「霊」とは存在するもので、身近に感じるものなのである。

そんな台湾には「鬼屋」と呼ばれる幽霊屋敷が点在し、心霊スポットになっているが、その「鬼屋」の中でも最も有名なのが「民雄鬼屋」だ(上の写真)。井戸で自殺したメイドの霊が出ると言われている。また心霊スポットに関して言えば異常なほど事故が多発する「辛亥隋道」と呼ばれるトンネルや、日本人にとっても観光地として有名な日月潭にある「日月潭教師會館」で船の事故で亡くなった者の霊が出ると言われている。また兵役が義務付けられている台湾だけあって、軍内には山ほど怪談話があるそうだ。そして台湾の都市伝説で最近最も注目を浴びたのは2015年11月に映画も公開された『紅衣小女孩』だろう。顔が老婆のような赤い服を着た少女がいるとかいないとか。

タブーを重視し、霊に面白半分で近づかない台湾の人々。そんな彼らが語る怪談話や都市伝説は妙に現実的に感じられて余計に背筋がぞくっとするのだ。

スポンサーリンク

【イギリス】呪われた殺人者の椅子バズビーズチェア

(現地在住ライター バックリー佳菜子バズビーズチェア
(geograph)

イギリスで有名な都市伝説というと、必ず名前があがるのがバズビーズチェア(Busby’s chair)である。イングランドの北部、ノース・ヨークシャーで絞首刑に処された殺人者トーマス・バズビーの亡霊に呪われていると伝えられる椅子であり、その椅子に座った人がその後ほどなくして死亡するという噂が広まり、幽霊に呪われた椅子として都市伝説となっている。1972年からはこの椅子に座ることができないように博物館の天井から吊るされ展示されているが、実物を今も見ることができる。

イギリスでは幽霊に対して怖いというよりはいいイメージを持っている人も多く、例えば幽霊が出る家は高く売れると言われる。これは幽霊が出るほど歴史がある家が人気ということであるが、それには幽霊が悪さをするという悪いイメージがあまりないからこそであり、そのイギリスでバスビーチェアは亡霊が悪さをするということで有名な都市伝説となっているのであろう。