「日本のご馳走」と聞いて何を思い浮かべるだろう。育った環境によって人それぞれだとは言え、焼き肉、すき焼き、天ぷら、寿司等はご馳走の典型的な料理として異論が少なそうだ。特に寿司に関しては「寿を司る」というゲン担ぎが名前の由来であり、ひな祭りのちらし寿司をはじめ、お祝いごとにはお馴染みだ。では、日本以外の国では「ご馳走」と言われれば何を思い浮かべるのだろうか。海外現地在住ライターがリポートする。

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【ブラジル】肉、肉、肉!シュラスコ!!

(現地在住ライター 増成かおりブラジルのシュラスコ(rocharibeiro / Shutterstock.com)
ブラジルでご馳走といえばなんといってもシュラスコだ。岩塩をまぶした肉の塊を串にさして炭火で焼くシュラスコには牛肉が主に用いられるが、もちろん豚や鶏肉、それにソーセージも材料になる。この国では、誕生日のお祝いに肉。母の日や父の日にも肉。とにかく人が集まる時には肉なのだ。

シュハスカリアというシュラスコレストランに行けば、ウエイターが次々に大きな焼けた肉を串のままテーブルに持ってきて薄くそぎ切りにしてくれる。

家庭のシュラスコは男の料理だ。女性はトマトや玉ねぎやパプリカなどを小さく切って作るヴィナグレッチを肉に添え、サラダとパンを用意する。よく晴れた日曜日のパーティー。庭で男性は冷えたビールやカイピリーニャというブラジルのカクテルを片手に、友人たちとサッカー談義をしながら肉を焼く。女性はテーブルで肉を催促しながらおしゃべりに花を咲かせる。

【韓国】大人から子供まで大好きカルビチム

(現地在住ライター キム・ヒョンジ韓国のカルビチム(Jinho Jung)
韓国の家庭料理で御馳走と言えば、カルビチム(牛カルビの蒸し煮)だ。お正月や誕生日等、沢山の人が集まる時に作られる特別な料理だ。

どんな料理かと言うと、牛の骨付きカルビを5センチメートル位に切り、栗、銀杏、ナツメ等と一緒にじっくり時間を掛けて蒸し煮する。味付けは、醤油ベースの甘めの味付けで唐辛子は入らない。とろける程柔らかく煮られた牛カルビは、まさに、ほっぺたが落ちる程美味しい。辛くないので、子供から大人まで皆が大好きな料理だ。

カルビチムは、宮廷料理の一つで王様が好んで食べていたと言われているが、現代では特別な御馳走として、そして、各家のお袋の味として愛されている。筆者が、日本に住んで居た頃、たまに韓国へ帰ると母が必ず作ってくれた。母の思いが伝わってくる優しい味の料理だ。

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【アメリカ】感謝祭になくてはならないご馳走!「七面鳥の丸焼き」

(現地在住ライター 長谷川サツキアメリカの七面鳥の丸焼き(Brent Hofacker / Shutterstock.com)

ご馳走と聞いてアメリカ人が思い浮かべるのは、11月の感謝際のメイン料理である「七面鳥の丸焼き」だ。アメリカの感謝祭は日本の正月に匹敵するイベントで、各地に散っている家族・親族が一堂に会し、毎年この歴史ある七面鳥の丸焼きを囲む。この時期にはどこのスーパーでも7キロ超の特大七面鳥が大量に売り出される。ここまで大きいと解凍するのにも数日がかりだ。当日は七面鳥のお腹の中に野菜やハーブ、パンなどを詰め込み、これまた4、5時間と時間をかけてオーブンでじっくり焼く。焼きあがった七面鳥を切り分けるのは一家の長にあたる男性の役目。七面鳥の丸焼きは感謝祭になくてはならない極めて重要な料理なのだ。

しかしながらこうも大きいと当日食べきれないことが多く、翌日以降もサンドイッチにしたりスープにしたりしながら七面鳥料理が続く。七面鳥は鶏肉に比べて味が淡白でパサパサしているので、子供たちにはあまり人気がない。伝統料理ながら子供に喜ばれないあたり、七面鳥の丸焼きは日本のおせち料理に似たポジションのご馳走といえそうだ。

【コートジボワール】アフリカらしいワイルドなご馳走!

(現地在住ライター Sanogo Miyuアグチのシチュー Jacquitoz
コートジボワールのイスラム教徒のご馳走と言えば羊。イスラム教の祝日などや結婚や出産のお祝いでは羊1頭を振る舞う習慣がある。町中の至る所で羊やカブリと呼ばれる小型のヤギ、鶏などの家畜は目にするのだが、宗教問わずアフリカらしいご馳走と言えば大ネズミの一種で「アグチ」が現地人の大好物だ。

近隣諸国のエボラ出血熱大流行以来、コートジボワール政府はアグチを含む家畜化されていない野生動物、俗に言うブッシュミートの売買及び摂食を禁止したにもかかわらずアグチ人気は止まない現状。丸焼きにしたり、ソース(シチュー)にして煮込んだり、爪以外の部位は全て食べるそう。高級なアフリカ料理レストランや庶民的な食堂でもメニューにある。私は食べた事がないが誰もが美味しいと言う見た目はカピバラを小さくした感じの可愛らしいご馳走だ。

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アグチ