アメリカは日本を除く国々の中で最も日本人在住者が多い国であり、移住をする理由も、留学、転勤、アメリカ人との結婚等様々だ。中には、ハワイやグアム、サイパンといったリゾート地でのんびり老後の余生を過ごしたい人もいるだろう。いざアメリカに移住するとなると、言語、ビザ、仕事、文化、家族・子供、お金まで、考えることは盛りだくさんだ。そんなハードルを乗り越えてアメリカに移住した現地在住日本人に、移住を決めた理由と、移住してみて実際どうだったかを聞いてみた。

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良いところも悪いところも含め付き合っていくのが移住

(現地在住ライター ミナミ・ヒューズ

私が移住を決めたのは、留学時に交際を始め、帰国後2年間の遠距離恋愛をしていたアメリカ人の現夫に、戻ってこないか、と言われたことがきっかけだった。もともと海外に憧れがあり、大学留学していたので、アメリカ生活は勝手知ったるものだったが、今回は移住目的の渡米ということで、アメリカの健康保険制度や、社会保障制度、年金はどうなるのかなど、調べることは山々だった。

実際移住してみてやはり困ったのは健康保険や医療制度だった。日本よりもはるかに複雑で、医療費も保険料もはるかに高い。私は去年、気絶して頭を打ち救急車で運ばれ7針縫うという事故があったのだが、その時の請求額は保険適用後で30万円以上だった。手痛い出費によって資本主義アメリカの闇を知ることとなった。

アメリカ、特にシアトルに移住してきてよかったと思うことは、音楽だ。自分は音楽はライブが一番だと思っているのだが、毎日町中のいたるところのライブハウスやレストランで演奏が楽しめる。音楽が人々の生活の中にするりと入り込んでいて、とても身近に感じられる。車でちょっと行けば飲み物代くらいでいい音楽がいつでも聞けるなんて、最高の環境だと思う。

また、移民が多く、独立主義のこの国では、人は人、自分は自分、という考えが一般的なので多様性が広く認められてる。そんな国に生きてみて、自分らしく生きていいんだ、と思うことができたことは大きな収穫だと感じている。

アメリカには良いところも悪いところもたくさんある。その両方を受け入れて一緒に生きていくのが移住だと私は思う。もちろん日本食は恋しいし、家族や友人になかなか会えないのは寂しいが、自分で決めたアメリカ移住。死ぬまで楽しんでやろうと思っている。

滞在2年のつもりが・・・、この国に魅せられて移住を決意

(現地在住ライター 長谷川サツキ

夫が「この教授の研究室で働いてみたいなあ」とつぶやいたのが、私たちのアメリカ移住の幕開けだった。当時夫は大学博士課程の3年生、収入はなし。私はといえばハワイにすら行ったことがなかった。今振り返ってみれば、後先考えずにアメリカへと飛び込めたのは若さ故だなと思う。2年ほど滞在できれば満足と思っていたアメリカ生活も、もう12年目になる。

移民の国アメリカには移住する方法がいくつかある。学生として渡米し、インターンシップを経て就職し会社に永住権取得のサポートをしてもらうケース。日本の会社から駐在員として派遣されたのち、現地の企業に転職するケース。市民権を持つアメリカ人と結婚したり、投資によって永住権を取得する方法もある。さらには年に1度の永住権抽選会にチャレンジするのもアリだ。ビザの種類が多く、滞在するスタイルがいくつもあるのがアメリカの特徴だ。

何はともあれまずは教授と話してみないと、ということで学会にて夫が憧れの教授に直談判すると、意外なほどあっさりと私たちのアメリカ行きが決まった。私たちの場合はJビザという研修ビザでの渡米だ。アメリカの大学での教授の力は大きく、教授がOKといえば大学はビザを発行してくれる。ただし最初の1年は日本の大学院生として行くため給料は発生せず、私もまずは英語の勉強をしなくては就職どころではない。あるだけの貯金をかき集めての渡米となった。

住まいはカリフォルニア州。「人種のサラダボウル」の特色が最も強く見られるこの土地は、あらゆる国の人が生活していてとても刺激的だった。1つの国にいながら様々な国の文化に触れることができる。お互いのバックグラウンドが違って当たり前という前提で会話をするので、皆よく話をし、よく話を聞いてくれた。不便なことも不安なこともあったが、2年が過ぎる頃には私たちはすっかりこの土地が気に入ってしまい、大学のサポートを受けて永住権を取得。不安定なビザから永住権に切り替わったことで生活基盤も安定した。

今はカリフォルニアを離れ、日本からさらに遠いジョージア州へと移った。西海岸とは異なった南部の文化もまた興味深い。当時の渡米の話を友人にすると皆「無鉄砲だねー」と笑う。確かに、とも思うが思い切って渡米してみたからこそ充実している今がある。あの時決断してよかったなと思っている。

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アメリカの田舎に移住してみて、やっぱり日本が一番

(現地在住ライター MEEK まゆ

私がアメリカ移住を決めた一番の理由はアメリカ人との結婚だ。結婚当初は相手も日本に住んでいたが、「子供を持つならアメリカに帰りたい」と言われた。もちろんそれは寝耳に水ではなくアメリカ人と結婚するのだからそうなることは当然にわかっていたし、自分自身もアメリカに行きたいと思っていた。理由は日本の習慣だ。横一列に並んでいなくてはならず、出る杭は打たれる。お歳暮、お中元、年賀状、暑中見舞い、結婚式二次会、近所付き合い。面倒な習慣はあげればきりがない。そこから逃げ出したかった私には好都合だった。

そうは言っても、父母と離れてしまうこともあり、移住の直前には相当悩んだ。加えて、移住先が旦那の生まれ育った場所がかなりの田舎だったのでカルチャーショックだった。一番大変だったのが食事だ。お米が美味しくない。セブンイレブンはあっても、もちろんおにぎりは売ってない。そして、自分の家族と離れている事でホームシックになった。妊娠、出産はさらに大変で、里帰り出産もできなければ、自分の実家に子供を預けて出掛けることもできない。移住直後、出産直後、旦那と喧嘩の後は本当に辛かった。

今では何とかやっていけているが、当初アメリカに来る前に考えていた、面倒な習慣から逃げられるという考えは裏切られた。日本ほどではないにしても、クリスマスプレゼントが多すぎる、サンクスギビングデー、独立記念日の家族の集い等、アメリカにも面倒な習慣は数多くある。何だかんだ言って、アメリカに移住してみてわかったことは日本は住みやすいということだ。

移住にはアメリカでの仕事を見つける必要がある

(HowTravel編集部)

移住するといっても、よっぽど大金を持っていない限りは現地で職を探す必要がある。ただ、いきなり現地企業に直接応募するというのはなかなかにハードルが高いと思う人も多いだろう。実際、アメリカでの就労ビザを持っていないと門前払いされてしまうということも多い。

そこでお勧めなのが、日本人の海外転職を支援している転職エージェントを利用することだ。案件は大きく2種類あり、一つは日系企業の現地スタッフ募集案件で、もう一つは現地企業の案件だ。どちらにしても日本人を対象に募集している案件なので、英語要件がやや低かったり、ビザ取得のサポートをしてくれたりと、個人で現地企業求人に応募するよりも遥かにハードルが低い。

案件は水物なので、とりあえず登録をしておいて、面白そうな案件があれば話を聞いてみるでも良いだろう。アメリカでの就職に少しでも興味があるのであれば、とにかくアクションを起こそう。

■お勧めのアメリカ就職案件に強い転職エージェント
①JAC
JACはイギリス発の日本人転職支援企業で、世界9カ国にオフィスを持つ。アメリカ単独でみた場合の案件数は必ずしも多くはないが、直接企業を訪問したコンサルタントが相談に乗ってくれるのがありがたい。海外転職であればまずお勧めしたい転職エージェントだ。日本の転職業界で3位の売上を持ち、実績も十分。

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②リクルートエージェント
リクルートエージェントは言わずと知れた業界No.1の転職支援企業であるリクルートの運営する転職エージェントサイトで、エージェントが自分に合った案件を紹介から面接までサポートしてくれる。日系企業の現地スタッフ案件が多い傾向にはあるが、海外案件も豊富だ。サイト上では公開されていない、非公開案件がほとんどなので、とりあえず登録をして案件をみてみることをお勧めする。

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