日本では卒業式・入学式といえば春のイメージが強く、保護者同伴でスーツや制服に身を包んでというのが一般的だ。また、合唱や代表・先輩・後輩の挨拶などが行われることも多い。

海外での卒業式・入学式はどのように行われているのか。海外現地在住ライターがリポートする。

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【アメリカ】卒業式は親族総出のお祭り騒ぎ!一方で入学式は

(現地在住ライター 長谷川サツキ

厳かな雰囲気の日本の式典とは異なり、アメリカの卒業式はとても賑やかだ。卒業式は英語でコメンスメントと言い、その意味は「はじまり」。アメリカの卒業式は、人生の新しいスタートを切るお祝いの日なのだ。

高校や大学の式典はチケット制の場合が多く、会場は卒業生の家族や親族で大抵超満員だ。ガウンに角帽、そしてフードをまとった卒業生達は、華やかな音楽と拍手に迎えられて誇らしげに入場する。卒業証書授与でも生徒の名前が読み上げられるたびにその家族から歓声が上がるなど、明るく楽しい雰囲気で式典は進む。マーチングパレードの演奏があったり、会場に屋台が並んだりとお祭りのような盛り上がりっぷりなのだ。

なお小学校や中学校でも卒業式はあるが、規模はぐっと小さくなる。アメリカは義務教育である小学校から高校までを1年生から12年生とひとくくりで呼ぶため、高校以前の卒業式はどちらかというと進級式といった認識だ。服装もいつもよりちょっと改まった格好で事足りる。

さてその一方で、アメリカには小学校から大学に至るまで入学式というイベントがない。入学初日からいきなり授業なのだ。日本人の自分からすると何とも物足りない気もするが、その分卒業式を華やかに、というのがアメリカ流のようだ。

【フランス】入学式、卒業式はなし。あまり節目を感じない

(現地在住ライター 竹内真里

フランスの学校では日本のような式典行事がない。年度始まりは9月で、終わりはだいたい6月末から7月頭。初めて登園/登校する日も、振り分けられた教室に入っていって授業を受ける。体育館に集まって静かに校長先生のお話を聴く始業式、終業式もなく、卒園/卒業式もない。

そんなわけで、大人も子どももこれら式用のためのフォーマルな服やバッグなどを用意する必要がない。

学校には国旗がひらひらとなびいているが、国歌斉唱の機会はない。スポーツの試合時や革命記念日に耳にするが、学校で歌うことはなく、歌詞は最初の方だけしか覚えていない、というフランス人も多くいる。

こちらでは7月、8月とまるまる2ヶ月間夏休みなのだが、特に学年が低いうちは、9月に学校が始まっていても1週間ほど欠席したり、6月からいなくなる子がいる。早めにバカンスに出かけていたり、ちょっと遅くバカンスから戻ってくる子がちらほらといるのだ。学校のペースではなく、家庭のペースを基準に動いているのだな、と見ていて思う。

このように節目を重んじる日本とは大きく異なり、かなりあっさりしているのがフランスの現地校だ。

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【イギリス】宗教色を強く出したりユルく済ませたり

(現地在住ライター 竹内奈緒美

私の子供が通っていたイギリス現地公立校における卒業式、入学式の特徴をまとめてみた。

■卒業式
学校近くの教会にて7月中旬頃に実施。参列者は卒業生、校長や教師数名、生徒の家族と神父。参列する家族の服装はスマートカジュアル。式は神父によるお祈り、讃美歌斉唱、校長と教師からの贈る言葉で構成され、最後に聖書が卒業証書のように校長から一人一人に手渡される。式全体は2時間弱で終わり、一旦学校に戻った子供たちは制服のシャツに友達のメッセージを書き込んでもらい、それを卒業記念品とする。

■入学式
9月初旬に入学するが、新入生が登校し、担任教諭がこれからの学校生活や制服、校内施設や校則について簡単に説明するオリエンテーションを行うのみで、式らしいイベントは行わない。通常の下校時間まで、教師や新しい友達との交流を図り、イギリスらしいのんびりした初日を楽しむ。

【台湾】親日台湾、入学、卒業は日本とちょっと違う!

(現地在住ライター 山田純

親日の国であり、かつて日本の統治国であった台湾だが、卒業と入学のシーズンは日本と異なる。台湾の卒業は六月、入学は九月だ(日付の都合で八月末に行われる場合もある)。

現役の中学生に台湾の入学式について聞いてみたところ、「入学式って何?」と言う驚く返事が返ってきた。日本の入学式のようなものは台湾にはないらしい。入学式と言うよりも「開学日(始業式)」が入学式を兼ねているらしい。それも校長の挨拶がある程度で日本のように保護者が出席したり、合唱するようなことは行われないと言う。学校によって違いはあるだろうが、新入生は入学前の数日、学校生活の心得や目上に対する礼儀を学ぶような研修があるそうだ。一方、卒業式は存在するようで、興味深いのは「蛍の光」の中国語版が唄われるそうだ。

日本で卒業や入学をイメージさせる花と言えば桜だが、台湾では「鳳凰花」と言う朱色の花が卒業シーズンになると満開になる。いかにも南国と言った色合いだ。日本の桜のように淡いピンクの花びらがはらはら舞うような切なさはないが、鳳凰の羽のような形状の葉を見ていると、これから羽ばたいていく若者を応援したい気持ちになる。