2016年8月5日から8月21日までの17日間、ブラジル最大の都市であるリオデジャネイロでオリンピックが開催される。オリンピック期間中は多くの日本人がリオデジャネイロに応援・観光で訪れることが予想される。しかし、ただでさえ地球の真裏の国で情報が乏しいだけでなく、オリンピック関連施設の完成遅れやジカ熱、オリンピック会場付近での強盗やテロ未遂等のことが日本国内で連日報道されていることもあり、不安を感じている旅行者も多いのではないだろうか。そこで、ブラジル在住12年、リオオリンピックのボランティアスタッフでもあるHowTravelライターが、旅行者がリオデジャネイロに訪れる際の注意点をリポートする。

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目次

盗まれても良いものだけを持ち歩くのが鉄則

(現地在住ライター 平田由貴子

●現地の警備状況

空港では、国内線チェックインがカウンターのみでのチェックイン体制に切り替わり、荷物チェックも国際線同様厳しくなった。まず、ノートブックやタブレットはカバンから出してX線チェック。次に雑誌類もX線チェック。そして手荷物はX線チェックの後、中身チェック。この影響で飛行機に乗り遅れる人もかなり出てるという状況。余裕を持って出かけるよう呼びかけがなされている。

観光都市の一面を持つリオ市内では、オリンピック開催中ハンググライダーなどが飛行中止となるなど、観光面でも一部規制がかかる。陸、空、海と警備体制が強化され、いたるところにバズーカ砲を持つ軍人や警察犬がいる等、警備が物々しい。海外からはやりすぎではとの反応がある一方で、「安心する。しっかり警備して欲しい」とリオ市民からの動揺は見られない。

また、テロ対策としては、郵便局などの「配達車」の出入りが禁止となる。これは先日のフランストラックテロで、80名が犠牲になった影響で今回このような措置が取らた。郵政局では速達の遅れなどについて理解を呼びかけている。

●現地の治安状況

とにかく盗まれていいものを持ち歩くに限る。「デジタルカメラに、ノートパソコン、タブレット、携帯、さらには現金10万円」、日本領事館に被害届として寄せられる内容はほとんどこんな感じだ。転売してお金になる貴重品がひとつのリュックの中にまとめて入っているというのは、ブラジル人からするとまるで「福袋」が歩いてるようなもの。まさに、この機会を逃がすのもかっ!という気になってしまう。

「治安」の悪さはオリンピックに限ったことではないし、リオに限ったことでもない。至ってこれが日常だ。都会と地方での被害数の大きさは多少あるとしても、強盗被害にあうことも日本人に限らず、ブラジル人でも日常的にあること。ある意味もう犯罪とは共存生活となっている。

「ファベーラ」など現地の人から危険地区と言われてるような場所には入り込まないようにする。言葉の壁は大きく、英語は空港、大都市のホテル意外は通じない。またスペイン語が話せるから大丈夫と思っていると大間違い。ブラジルは南米で唯一のポルトガル語圏。スペイン語と似てるようで意外と通じない。

すりや強盗は簡単に盗めそうな人を見抜く。たくさんの被害情報がネット上にあるのにも関わらず、被害にあう人が後を絶たない。ではどうしたら避けられるのか、最小限に抑えることができるのか、簡単な対策を紹介しよう。

・見た目が悪そうな人に話しかけられたら無視する。目と目が合っても関係ない場合は無視する。見た目が優しい人に話しかけれれても自分に関係ないときには振り切る。これが意外と日本人にはできない

・リュックは後ろじゃなくて前にかける。カッターで切られやすいため

・現金は盗まれても後悔しない額しか持ち歩かない

・人ごみはスリに狙われるリスクが高いので極力避ける

・強盗にあったら抵抗しない。抵抗して顔などを殴られて大きな黒アザができたと被害届を出した日本人女性が過去にいたが、ブラジルでは抵抗しないがルール。抵抗しなければ身体的な被害は防げる可能性が高い

鉄則は、先ほど述べた様に「盗まれてもいいものを持ち歩く」。全部盗まれてもいいものかどうか、出かける前にもう一度バッグの中身をチェックしてみるといいだろう。

ブラジルは外国人に「優しくない国」。日本人のように、外国人を見たら親切にしてあげるということや、困ってる人を見かけたら助けてあげるというようなモラルが日本ほどないのだ。

●ジカ熱の心配は?

ジカ熱はもう流行っていない。一番のピークは日本の冬、ブラジルの夏にあたる去年の12月、1月頃。現在ではブラジルは冬季に入り、蚊も減少。今ではまったく話題になってないくらい。どちらかというと、今流行ってるのはインフルエンザといったところ。

ブラジルは日本の約23倍。南北に長い大陸で、赤道に近い北部と南極に近い南部ではライフスタイルも、生活環境も大きく違う。方言も違う。その為、ブラジルの一部の地域で起きた出来事に対して「ブラジルで」とブラジル全土で起こってるかのようによく報道がなされることが日本であるが、意外とそうでないことも実際にある。●●州ではのように州ごとの出来事として考えておいたほうがいいかもしれない。

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現地で事件に巻き込まれたら

(HowTravel編集部)

現地リポートによると、リオデジャネイロに限らずブラジルの治安は非常に悪いようだ。日本人がよく訪れるヨーロッパやアジアの国々と同じ様に考えていては思わぬ事件に巻き込まれる可能性がある。しっかりと準備して何事もなく帰国できるのが理想ではあるが、万が一巻き込まれた場合のために日本領事館の場所は確認しておこう。

■在リオデジャネイロ日本領事館
TEL: +55 21 3461-9595
住所: Praia do Flamengo, 200 – Flamengo, Rio de Janeiro