日本で自然災害といえば地震と台風が挙げられるだろう。1945年以降、1000人以上の死者・行方不明者を出した災害は計12回あったが、全て地震か台風によって引き起こされたものだ。あまりに慣れすぎて、毎年の台風上陸や震度の小さい地震には動じないという人も多いだろう。一方で、外国人が日本に来て、小さな地震でもパニックに陥るといった話もある。出身国では地震が起きないことが理由だが、では海外ではどのような災害が発生するのだろうか。海外現地在住ライターがリポートする。

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【アメリカ】数ある自然災害の中でも甚大な被害をもたらすハリケーン

(現地在住ライター 長谷川サツキアメリカのハリケーン(Harvepino / Shutterstock.com)

広大なアメリカでは、一年を通して多種多彩な自然災害が各地で発生している。ニューヨークを襲う大寒波、アメリカを縦断する通称「竜巻街道」でひんぱんに発生するトルネード。空気が乾燥しているカリフォルニアでは大規模な山火事が街を襲う。そして中でもアメリカが恐れるのがハリケーンである。過去に被害の大きかったハリケーン・カトリーナやサンディは、多数の死傷者と莫大な経済的損失をもたらした。

実はまさにこの記事を執筆中、過去最大級といわれたハリケーン・マシューがアメリカに上陸。私自身、強制避難命令によって4日ほど自宅を離れて避難生活を送る事態となった。2日前に帰宅許可が下りた現在も停電、浸水、夜間外出禁止と未だ街は混乱が続いている。アメリカのハリケーンの恐ろしさを身をもって体験することとなった。

【ブラジル】雨に悩む町

(現地在住ライター 増成かおりブラジルの洪水(Harvepino / Shutterstock.com)

ブラジルには日本のような地震も台風もない。その代わりに泥棒がいる。そんなことを言う人がいる。治安の悪いブラジルならではではあるが、ブラジルにも災害はある。

サンパウロでは大雨が降ると水害が起こる。河川の氾濫ではなく、通りの排水孔が人々が捨てたゴミでふさがれ雨水が流れないことが原因の1つと言われている。一度に降った大量の雨水が、詰まった排水孔で溢れたり、下り坂を流れて低い場所に集まったりするからだ。サンパウロにいて強い雨が予想される日は無理な外出はしない方がいい。強い雨でバスや地下鉄が動かなくなることがよくあるし、雹が降ることもある。

ブラジルは広大な国で災害もさまざま。北東部の内陸部には逆に干害に悩む町があり、南部に目を向ければ竜巻だ。

ちなみに、この国でもごくまれに地震が起こることがある。地震がないことを前提に全ての建物が造られているので、もし強い地震が起こったらと思うと恐ろしい。

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【イギリス】大雨と降雪に弱いイギリス

(現地在住ライター 竹内奈緒美イギリスの大雪(Bikeworldtravel / Shutterstock.com)

イギリスには台風も地震も(ほぼ)起きないのだが、毎年国内のあちこちがパニックに陥る事がある。それは、大雨と降雪。毎年、大雨が降れば道路が冠水し、雪が降れば交通機関が麻痺してしまう。

数年前に大雨が降った時、筆者の住む町からオックスフォードへ向かう幹線道路が広範囲に渡って冠水してしまい、出勤・通学の足を奪われた人たちを中心に大変な騒ぎになった。

冬になって雪が降れば、それほど積もっていないにも関わらず、多くの学校が休校となる。学校側としては生徒の安全を保証できないことと、教員が学校にたどり着けないため休校せざるを得ない。よって、雪が降った翌朝はBBCのウェブサイトにある「休校情報ページ」やラジオで流れる休校情報で、登校できるかどうかを調べなくてはならない。

大雨にしろ降雪にしろ、毎年同じようなパニックぶりで、日本人の私は辟易してしまう。渡英して毎年のことなので、イギリスの風物詩のひとつなのかもしれないが、いい加減、国が対策を打ってほしいものだ。

【コートジボワール】雨で命を落とす事も!

(現地在住ライター Sanogo Miyuアフリカ・タンザニアでの洪水(Vadim Petrakov / Shutterstock.com)※アフリカでの洪水写真
高温多湿で熱帯雨林地域のアビジャンでは雨量が多く水害は深刻な問題の一つだ。最も多いケースは水路であるはずの場所に不法に建てられた低所得層のバラック居住区。雨水の濁流で家屋が倒壊し行方不明者や死傷者を出すのだ。

毎年雨季前になると政府が不法住居の立ち退きを要請し、住民と衝突するのももはや風物詩。道路では側溝に溜まった無数のゴミが排水を妨げ氾濫し、車ごと浸水してしまうケースもある。泳げない人が多いので深水1メートルに満たないほどでもパニックに陥り溺れてしまうのだ。また蓋のないマンホールが歩道の至るところにあるので、冠水した歩道では確認する事ができず落ちてしまう。自然災害なのか人為的なものなのか微妙なところだが、毎年雨季になるとこのような事故のニュースをよく耳にするのである。

ちなみに豪雨で家屋が倒壊してしまうコートジボワールでもしも地震が起きたら震度2で壊滅してしまうのではないだろうか。