日本での潘基文氏の評価は反韓感情と相まって非常に悪い。英国誌エコノミストが潘基文国連事務総長を「歴代最悪の事務総長の一人」と批判した際には鬼の首を取ったかのようにこぞって報道された。一方で、韓国の時期大統領候補の中では断トツの一番人気となっており、韓国国内での潘基文氏への見方は異なるようだ。韓国国内ではどのように受け止められているのか、韓国現地在住ライターがリポートする。

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世界の大統領 潘基文

(現地在住ライター キム・ヒョンジ

韓国で「世界の大統領」と形容されるのが、潘基文国連事務総長だ。実際に国連事務総長を大統領と置き換えるのは、国連について余りにも知らなすぎるとしか言いようが無いが、今まで国際的に有名になった韓国人が少ないので、このような誇大広告じみた形容がされているのだ。実際に彼の地元では、潘基文通りと名のついた道路や、潘基文記念館、潘基文マラソン大会まで有る偉人である。当初は、銅像も有ったが、外国人ジャーナリストがその銅像を見て、「今も生きている人間を銅像にするのは北朝鮮と変わらない」と報道したことから、銅像が撤去されたと言うエピソードもある。

当然のごとく多くの韓国国民は、「世界の大統領」を韓国人が勤めていると言う優越感に浸っている。これは、韓国のマスメディアも例外では無い。潘基文に「世界の大統領」の形容を付け、外国メディアによる潘基文批判は一切報道しないのだ。それゆえに韓国国民の大部分は、その批判を知らないでいる。

最近の韓国大統領候補についてだが、潘基文が世論調査の度に一位になる。これは、他に良い候補者が居ないからだ。国連事務総長の任期が終わって、間もなく大統領選挙に出馬する事に違和感を持つ韓国人も少なくないのだ。しかし、消去法でいくと潘基文しか居ないのも現実なのだ。潘基文は、慰安婦問題の日韓合意を支持している事も有り、与党候補となる可能性が高く、人気や知名度で当選の確立が高い。その為、最近では野党がタブーとされていた潘基文批判を始めたのだ。しかし、「世界の大統領」の人気が高いのは変わらないようだ。