日本では刺青の呼称が一般的なタトゥーだが、社会的にはまだまだ受れられていない。江戸時代の頃は刺青は罪人に対する刑罰の一種であったし、戦後日本においては暴力団のシンボル的な認識が根深い。その結果、公衆浴場やプール、ジム等では攻撃的な刺青とファッションタトゥーの区別なく、入場を断られる場合がある。また、当時大阪市長であった橋下徹氏が刺青のある市職員を市民の目に触れない部署に配置転換を行った等、日本では社会的に刺青への目は厳しい。海外のタトゥーは現地でどのように思われているのだろう。日本よりも広く受け入れられているイメージはある。海外現地在住ライターがリポートする。

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【アメリカ】日本よりは多いタトゥー人口 しかしイメージは「低所得者」

(現地在住ライター 長谷川サツキ

日本と比べると、アメリカでタトゥーをしている人を見かける率は高い。どの町でもちょっと探せばタトゥーを入れてくれるお店があるし、若い子はファッションとして足首や指にワンポイントで小さなタトゥーを入れていたりする。絵柄は様々。昔ながらのドクロやら花やらを入れている人もいれば、「大好物だから」という理由でソーセージと目玉焼きのタトゥーを肩に入れていたり、「幸運を招くんでしょ?」ということでカラフルな招き猫を腕にでかでかと入れていたりする。この辺りの自由さはさすがアメリカと思う。

だからと言ってアメリカでタトゥーが受け入れられているのかといえば、答えは「NO」だ。タトゥーを入れている人に対する心証は、日本と同じくアメリカでも決して良くない。大抵の親は年頃の子供がタトゥーを入れたいなどと言い出したら大反対する。なぜか?はっきりと言ってしまえば、アメリカでは「タトゥー=低所得者」というレッテルが張られてしまうからだ。ホワイトカラーの一般企業でタトゥーをしている人はまずいない。少なくとも見える場所にタトゥーはない。私の勤めていた薬局もタトゥーは一切禁止だった。社会に出てから世間のタトゥーへの反応を知り、若気の至りでタトゥーを入れてしまったことを後悔しているという大人も少なくない。

一度入れたらもう元には戻せないタトゥー。アメリカでも日本でも社会の目は冷たいようだ。

【韓国】韓国では軽犯罪になる可能性もある

(現地在住ライター キム・ハナ

結論から言うと、韓国でも基本的にはタトゥーのイメージはよくない。現在では芸能人も隠さずにタトゥーを露出しているため、若者を中心に抵抗がない人も増えているようだが、基本的にはタブー視されている。

日本と違う点は、タトゥーの中でもサイズが小さいファッションタトゥーであれば、ウォーターパークや韓国式サウナであるチムヂルバンには入場することができる点だ。しかし、全ての施設で問題なく入場できるわけではなく、一部のウォーターパークでは禁止されているし、チムヂルバンも子供のいない夜10時以降なら入場OKというような措置を取っている所もあるようだ。

仕事に関しては、日本では大阪市職員の刺青発覚で配置転換があったように、韓国でも同様なことが起こるだろうと思う。場合によっては解雇される可能性まであるらしい。しかも過度なタトゥーは不安感や恐怖の対象にもなりえることから、警察に通報されると軽犯罪として処理され、過去には罰金150万ウォン(約15万円)の支払い命令まで下りた事例まである。実際にはほとんどないケースだとは思うが、想像よりもタトゥーに対して厳しい韓国。タトゥーをしている人はあまり露出せず、目立たないようにしたほうがよさそうだ。もちろん日本と同様、タトゥーはしないに越したことは無い。