日本ではウィンタースポーツシーズン真っ盛り。近場のスキー場はあらかた行きつくしたという猛者も多いだろう。そんなウィンタースポーツを愛してやまない皆さん、海外に遠征してみてはいかがだろうか。

今回は、スキー・スノーボードのメッカであるスイスに住む現地ライターが、スイスのスキーリゾート事情をご紹介する。

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スイスのスキーリゾート レザン

(現地在住ライター Shige. Iwabuchi16763732_10154302975687393_1694206019_o

当地レザン(Leysin)は、スイスの仏語圏を代表する州、ヴォー州(Canton Vaud)に所在している。ヴォー州は世界中から人々を集める観光資源に事欠かない。世界的なJazz Festival で知られるモントルー(Montaurex)。喜劇王チャップリンが最晩年を過ごしたヴヴェイ(Vevey)。葡萄の段々畑が世界遺産に登録されているラヴォー(Lavaux)国際五輪委員会本部が所在し、世界的なバレエ・コンクールが行われるローザンヌ(Lausanne)。どの街もレザンからは車で1時間圏内だ。

12月に入ると、人口3000の山村、レザンにも冬将軍が訪れ、街並は一面、雪で覆われる。4月上旬頃までの約4ヶ月の厳しい冬の暮らしが始まるのだ。標高約1300mの当地では、時には外気温が氷点下15度を記録することもあり、まさに「厳しい冬の暮らし」であるが、冬の暮らしは厳しさばかりではない。レザンは知る人ぞ知る、スキー・リゾート。スキーやスノーボードを興じる者は、冬将軍の訪れを、胸の高鳴る思いで迎えるのも事実である。かく言う筆者も、スノーボードの楽しさに魅了された人間の一人。2017年2月のある休日、今季5度目となるゲレンデへ繰り出した。

スイスのスキー場はとにかく大きい

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レザンのスキー事情について、概要を示しておこう。ゲレンデ内には14のリフトがあり、コースは29、総滑走可能距離は60km。日本国内の比較的長いとされるルスツが42kmだそうだが、それを上回る規模である。最大標高差は1050m、つまり山の頂上から麓までの落差が1km以上ある、ということだ。

初心者から中級者向けのコースが比較的多いが、上級者向けの、難度の高いコースも1割程あるし、スノーボーダーのためのジャンプ・コース Terrian Park、やハーフパイプ Half Pipe コースも開設されている。スキー・スロープは初心者向けが青、中級者向けが赤、上級者向けが黒とコース表示が色分けされているので、自身の実力に応じてコース選択をすると良いだろう。
参考サイト:http://www.snow-forecast.com/resorts/Leysin

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雪質はさらさらのパウダースノー

また、これはスイスや他の欧州全般に言えることだが、雪質は完全にパウダースノー。乾燥した気候がそうさせるのだが、日本のいわゆる「湿り雪」とは、明らかに質が違う。スノー・スポーツ好きならば、一度は体験してみることをお薦めする。

いざゲレンデに繰り出す

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レザンの街からゲレンデへ出る主なルートは2つ。仏語で「テレキャビンTélécabine」と呼ばれるゴンドラに乗るか、「テレシェーズTélésiège」と呼ばれる四人乗りリフトに乗るか、の選択である。テレキャビンの到着地はバーヌースBerneuseと呼ばれる山の頂上。標高は2048m。山頂に建てられた展望台とレストランの目の前に到着する。テレシェーズの到着地はトゥール・ド・アイTour d’Aï(標高2326m)の中腹である。今回乗ったのは後者のリフト。

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リフトを降り、滑走すること15分ほどで、2人乗りのリフト乗り場に到着する。レ・フェールLes Fersと呼ばれるスロープに向かうリフトである。リフトに揺られて5分ほどで到着する場所のすぐそばに、山小屋がある。 Restaurant Les Fers である。

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スイスのスキー場は食事が魅力


実は、スキー、スノーボードと同じくらいに人々を魅了するのが、この山頂の山小屋で食べるスイス料理だ。スイスの食事でお薦めは、やはりチーズ料理である。

定番の「チーズフォンデュFondue」を始め、パンにチーズ、ハム、ホワイトソースを乗せてオーブンで焼く「Crôute=クルート」、ジャガイモとチーズのハーモニーが絶妙な味わいを醸し出す「Rösti=ロシティ」、日本でも今やおなじみの「Croque monsieur=クロック・ムッシュ」など。

幼い頃にテレビアニメで見た、スイスのチーズ料理が目の前にある。しかもスイス・アルプスの白銀の雪山の山小屋で食すとなれば、味わいは格別である。

また、このレストランの建物の南側には山々の絶景を臨むように屋外バーが設置されているので、天気の良い日には、天然のテラスで日を浴びながらスイス・ワインで乾杯するのも一興である。

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「スイス人は自分たちの作ったワインを、すべて自分たちで飲んでしまう」とは、ワイン好きの人々から良く聞かれる言葉。スイスのワインは、一部の並行輸入業者や個人の輸送を除いて、基本的に国外に輸出されない。つまり、スイス・ワインはスイスでしか飲めない、ということなのだそうだ。

既述のチーズ料理も、またスイス・ワインも、山々に囲まれたスイスの歴史と環境が産み出した味わいであり、この味わいは、スイスを訪れた者にしか味わえない、大都会では「再現」できない味わいである、と日本の都市部出身の筆者は常々感じている。一度、当地で経験をしてみてはいかがだろうか。

食事を終えて、ゲレンデを滑走すること約2時間。出発から帰着まで5時間ほどのDay Trip であったが、胃袋も気持ちも満たされた幸福感は、言葉で語り尽くせないものであった。

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