海外の薬は日本人にはきつすぎるため、海外旅行に行く際は、日本から薬を持参するようという話を聞いたことがある人も多いのではないだろうか。一般財団法人海外法人医療基金によると、海外での一般薬購入時の注意点として以下5点を挙げている。
①商品名が違う
②添付文書(効能書)が英語や現地語で書かれている
③日本で認められていない成分が含有されている場合がある
④含有量が多い
⑤流通経路・保管状態に疑問がある

そうは言っても、旅先や移住先でどんな病気にかかるのか、準備し切ることは困難であり、予測不能な体調不良時には現地の薬局で薬を購入しなければいけない場合もある。そこで、実際に現地の薬を使って、何か問題があったことはあるか、どのような対処をしているのか、海外の薬を使う頻度が高い現地在住日本人ライターがリポートする。

なお、滞在日数分の薬であれば問題になることは少ないが、薬によっては海外で禁止されているものもあるため、大量の薬を持って旅行する場合は旅行先の大使館ウェブサイト等で持ち込めるかどうかを確認することをお勧めする。また、医療機関で英文薬剤携行証明書を発行して旅先に持っていけば、空港等で質問された時にも対応が楽だ。

※この記事は現地在住者の体験談を伝えることが目的であり、薬の用法や購入すべき薬をアドバイスするものではありません

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【アメリカ】極力、海外旅行には日本から薬を

(現地在住ライター ミナミ・ヒューズ

アメリカではドラッグストアで処方箋なしで買える一般薬を英語ではOTC(Over the Counter)Drugといい、処方箋が必要なものをPrescription Drugと区別する。日本人と比べて平均的な体格が大きいからかもしれないが、アメリカの薬は日本の薬に比べOTC, Prescriptionともに強く、使用法に記載されてある容量も多い気がする。

それ故私はOTCの薬を摂取する場合、記載されている容量の半分くらいから始め、様子をみつつ徐々に増やすようにしている。眠気を引き起こす薬も多いので、運転をする際などはNon-Drowsy(眠くならない薬)と記載されているものを選ぶよう気を付けたい。

医師から処方されるPrescription DrugはOTC Drugよりもさらに強い。私が一度ひどい腹痛に襲われ救急へ駆け込んだ時、抗生物質が処方された。医師に言われた通りに薬を飲んだ所、薬を摂取するたびに気持ちが悪くなりひどい吐き気に襲われ、その間一週間ひどく惨めな状態で過ごさなければならなかったという体験をした。また、よく歯医者や手術後などに処方される薬には麻薬効果があるものもあり、中毒に陥ってしまうアメリカ人も少なくない。

アメリカの薬は効果が高いが、容量や体質によっては副作用があることもあるので、海外旅行の際には極力、日本から使い慣れた薬を持ってきた方が無難かもしれない。

【イギリス】薬の外箱の文言を過信しないこと

(現地在住ライター 竹内奈緒美

よくある体調不良として、風邪などによる喉の痛みや発熱が挙げられるが、これらの症状を緩和する「風邪薬」はイギリスでも多数販売されている。ある日、風邪を引いていた私は薬局で薬剤師に相談し、眠くならない風邪薬を購入した。

昼食後、購入した風邪薬を規定量服用し家事をしていたが、30分も経たないうちに眠くなってきた。「昼食を食べ過ぎたかな」程度に考えていたが、眠気は時間とともに強くなり、目を開けていられない程になった。仕方なく30分ほど仮眠を取ろうと横になったが、目が覚めたのはそれから4時間後だった。心配した家族が何度か起こそうとしたため起きようと努力したが、強烈な眠気に抗えず起きられなかった。

その日、車の運転をする予定も無く、自宅で服用したため、大事には至らなかったが、外箱に「眠くならない」と明記されているにも関わらず、あれだけ眠くなってしまったことに驚いた。後日調べてみると、その風邪薬は眠気を誘うような成分が他と比べて少なめだったのだが、それでも私にはその影響が強く出たようだった。

この一件で、薬の外箱に書かれた文言を鵜呑みにしないことが重要だと学んだ。イギリスの市販薬を服用する際は、可能であれば規定の半分量を服用し、体質に合うかどうかまず試すのが良いだろう。

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【インド】とても良く効く、効きすぎて怖いインドの薬を

(現地在住ライター アジュナン ナオミ

インドの医療は近隣諸国から医療ビザを取得して治療に来るくらい進歩している。総合病院などは日本の設備と変わらないし、治療代・入院代なども日本と変わらない。しかし日本のように健康保険がないため、医療保険に入っていないと全て実費なのだ。

インドはご存知のように格差が激しいため正規の薬を購入できない人も多いのだが、そこで特許の考え方の都合もありジェネリック薬が他国に比べて製造しやすいそうだ。なので基本的には安いからといって危険な薬ではないと言える。

インドに来てからアレルギー症状がいろいろ出てしまい現在はインドのアレルギー薬を服用しているが、これが効く。服用し始めた頃は効きすぎて、あっという間に症状は改善されるのだが眠りに引きずり込まれて起きれなくなってしまう。アレルギー薬だけでなく、抗生剤も同様に効きすぎて吐き気やダルさなどに悩まされたことがある。

インドの薬はとても効くのだから良いのだけど、運転や仕事をする人、小さな子供がいる人は効き目を考慮して使用しないと危険でもある。

【ブラジル】効き過ぎて困る

(現地在住ライター 増成かおり

ブラジルで流通している薬は、小柄な日本人向けには作られていないと思う。時に効き過ぎてかえって体調に悪影響をあたえるので、使用には注意が必要だ。

私はブラジルに来た当初よく熱を出していたのだが、一度、40度近い熱を出した時に解熱剤を飲んだ。それは、当時ブラジルで最も一般的な液体の解熱剤で、この時確か30滴飲んだ。すると20分もしないうちに熱が下がったのだ。高熱が出ている時にスプーンを握って30滴数えるのは辛かったが、ブラジルの薬はよく効くのだ。

ある朝、頭がひどく痛むので頭痛薬を飲んだ。説明通り2錠飲むと、胸のあたりがムカムカし強い吐き気で苦しくなり、結局その日の仕事に遅れてしまった。それ以来、半量の1錠しか飲まないが、それで私には十分に効果がある。

ブラジルに来てから何度か受けた胃カメラ検査では、毎回鎮静剤の効き目に驚かされている。検査は、スプレーで咽頭麻酔をして点滴で鎮静剤を注入して行われる。私はその鎮静剤で完全に眠ってしまい、検査が終わっても自分で歩くことはおろか1時間たっても2時間たっても目が覚めない。同じようになってしまう日本人を他にも知っている。しかし、ブラジル人は検査後自分で休憩室まで歩き、少し休むと帰っていくのだという。検査前に医師にこの事を説明しても、量の調整をしてもらえたことはない。

私の日本人の友人の多くは、日本に帰るたび飲み慣れた薬を買ってまたブラジルに戻ってくる。ブラジルの薬は強すぎるし飲みにくいからだ。液状の薬は匂いや味が悪いし、カプセルや錠剤はサイズが大きすぎる。

私はブラジルの病気にはブラジルの薬が一番だとは思うが、やはり日本人には日本の薬が合う。しかし、薬を飲まなくて済むくらいに健康でいられればそれが一番だ。