スーツケースの鍵のポイント
海外旅行をする際に最も気になるポイントの一つは、防犯面をどうするかだろう。特に、所持品の大半を収納するスーツケースのセキュリティーに関して頭を悩ませる方も多いのではないだろうか。パスポートやクレジットカード、その他の貴重品は肌身離さず持っていれば良いとして、まさか大きなスーツケースを観光中ずっと持ち歩くわけにもいかず、ホテルに預けておくしかない。きちんとしたホテルだとしても、スーツケースが開いたままであればトラブルに合う確率は0ではないだろう。
スーツケースは、
①個室で鍵の閉まるホテルの部屋に宿泊する
②スーツケースに鍵をする
③できれば、スーツケースベルトも着用し、しっかりと施錠されていることをアピールする
④部屋の入り口から遠く目立たない場所に置いておく
この4つのルールを守るようにしよう。これらのルールを守ったとしても、盗難のリスクは0ではないため、貴重品は必ず肌身離さず持っておくこと。
TSAロックとは
アメリカ旅行をする際(アメリカの国内線やトランジットでアメリカの空港を利用する場合を含む。また、ハワイやサイパン等の離島を含む。)は、スーツケースに鍵をかけてはいけない。9.11のテロ以降セキュリティーが厳重になったアメリカでは、本人が立ち会えない場所で、抜き打ちでスーツケースの中身のチェックを行っている。その際に鍵をかけていると、鍵ごと壊されてしまうのだ。危険なものを持っていなくても、「怪しい」と判断されれば、容赦なく壊されてしまうし、ランダムでピックアップされて検査されることもある。
鍵のみキレイに壊されるのであればまだ良いが、スーツケースが閉じなくなり、ガムテープでぐるぐる巻きにされて戻ってくることもある。そのため、原則、アメリカに行く際はスーツケースに鍵をかけてはいけないのだ。ちなみに、どんなにひどい破損となっても、アメリカの法律で認められている行為なので、クレームや賠償は一切受け付けられない。
とはいえ、荷物を他人に預ける際には鍵をかけたいところ。そこで登場したのが、TAS(米国運輸保安局)が認可しているTSAロックだ。TSAロックは、TSA職員が持つ合鍵によって、鍵を壊すことなく解錠することが出来きるシステム。アメリカ旅行の際でもTSAロックであれば施錠しても原則問題ない。もちろん、合鍵はTSA職員のみ所有しており、一般人の購入/所有/複製などは全て禁止されているので、セキュリティーに関しては大きな問題にはなっていない。
この画像の左にある鍵穴が、TSA職員によって利用される。よく見ると「TSA007」と書かれているが、これはTSAロックの種類を表している。この種類にあった鍵で、ロックを解除するのだ。
中身をチェックされた場合は、チェックしたことを通知する紙がスーツケースの中に入っているので、無くなっているものや破損しているものがないか念のため確認したほうが良い。
TSAロックに関連する注意点
貴重品はスーツケースに入れない
説明したとおり、怪しい物が入っていなくても、ランダムにピックアップされ検査されることがある。中身の確認は空港関係者が行うが、念のため中には貴重品を入れておかないこと。また、粗雑に扱われてしまうことがあるので、壊れてはいけない大切なもの(電子機器など)はなるべく手荷物にして機内に持ち込むようにしたい。
ダイヤル番号を忘れないように
ジップタイプのTSAロックの場合、ジッパーを入れた段階で自動的にロックがかかるようになっているので、パスワードを覚えていないタイミングで意図せずロックしてしまい解除できなくなることがある。
その場合、ダイヤルの数にもよるが総当りで解除番号を見つけるか、スーツケースのブランドショップに持っていく必要がある。どちらにしても時間がかかってしまうので、解除番号は忘れないようにしよう。また、ダイヤルロックの初期解除値は「000」であることが多いので、新品やレンタルし始めであれば「000」で試してみよう。
TSAロックであっても解錠がおすすめ
矛盾するようではあるが、TSAロックであっても鍵を壊されてしまうことがある。スーツケースの状態が悪く、鍵穴が変形してしまい解錠出来ないケースなどだ。そのため、TSAロックであっても、解錠したままで預けるのがお勧めだ。各航空会社も最近は「TSAロックであっても鍵をかけないで預けて下さい」という旨の推奨アナウンスを始めている。
解錠したままで預ける場合、スーツケースベルトをつけるなど、TSA職員がスーツケースを破壊しないでも済む範囲で、誤ってスーツケースが開かないようにしておくと良いだろう。
また、その他スーツケースの選び方はこちらから解説している。