日本国内に約800店舗を構えるユニクロだが、近年は海外展開を推し進めており、2015年11月末時点で海外店舗数が国内店舗数を上回った。日本では約30年かけて店舗数を増やしてきたことを考えると、2001年のロンドン店オープン以来、たった15年足らずでの急拡大は、ユニクロの海外展開への力の入れ様が窺い知れる。日本発のファッションブランドが世界でGAPやZARA、H&Mといった有名ブランドと戦っていると思うと誇らしいが、実際のところユニクロは海外で人気があるのだろうか?ユニクロが特に展開に力を入れる中国と、世界のファッションの中心地フランスパリのHowTravel現地在住ライターが、ユニクロの海外での知名度や人気・評判、位置づけ等をリポートする。

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目次

中国でも場所によって異なるユニクロ人気

(現地在住ライター 高橋亮

中国語では「优衣库」と書くユニクロだが、2006年より中国進出を図り現在では225店舗(公式サイトより)もの支店を中国に展開しており、北京や上海といった大都市だけではなく、中小都市であっても見かけるほど中国ではメジャーなブランドとして定着している。中国のデパートなどではよくZARAやH&Mなどと一緒に見かけることもあり、海外のおしゃれなブランドとして中国人からも認識されているようだ。

しかし中国の地方都市ではまだ知名度は低く、シンプルなデザインもなかなか受け入れられないという現実も見受けることができる。地方都市などではやはり派手なデザインであったり、大きなロゴが入ったものが好まれているため、ユニクロのようなシンプルなものはそこまで人気がないのかもしれない。

中国全体でみるとユニクロの知名度や人気は高く、ユニクロを真似た偽物のブランドも出始めている。インターネットの発達や普及により中国の若者たちはファッションにとても興味が高く、これからもユニクロの人気や普及は増えていくと思われる。

気難しいパリジャンが「安価で高品質」と高評価

(現地在住ライター 竹内真里

ユニクロはフランスで10店舗展開している(2016年7月27日現在)。とりわけ2009年、ギャラリーラファイエット、プランタンといった百貨店が集まるパリの中心地に国内2店舗目となるパリオペラ店がオープンした当時は入店に長蛇の列ができ、大きな話題となった。優れた歴史的建築物が残りモードの発信地であるマレ地区にも2014年に出店し、その存在がさらに強くアピールされた。
 
パリ15区の店舗で買い物中の客にユニクロの魅力は何かと聞いてみた。フランス人のイボンヌさん(65)は「値段の割にじょうぶで長持ちする」。タイ出身でパリ在住歴6年のナハタイさん(30代)は「パリの冬は寒いけど、ヒートテックを着れば平気。初めて着用した時は薄いのに暖かくてびっくりした」。フランス人のミレイユさん(28)は「シンプルなデザインで色も豊富。着こなしやすいし、質も良い」。フランス人のセバスチャンさん(42)は「高くないし着心地がいい。よく店が混雑しているのが難点かな」とパリジャンらしく難点を付け加えた。
 
倹約家で自分が納得したものしか身につけないパリジャン・パリジェンヌたちにもまだまだ好評の様子だ。

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頭打ち傾向の出る国内と比して、海外戦略は上々か

(HowTravel編集部)

2016年6月の国内店舗客数が前年同月比3.6%減となる等、ユニクロの日本国内での苦戦が報じられている。一方で、海外売上は好調で、1-2年のうちに国内売上を抜くのではないかと見られている。実際、現地ライターからのリポートでもわかるように、海外でのブランド戦略は上々なようだ。