(現地在住ライター バックリー佳菜子

イギリスというと料理がおいしくない国というイメージを持つ人が多いかもしれないが、最近はミシュランスターを獲得したレストランが増えるなどグルメが楽しめる国になりつつある。しかしイギリスの伝統料理の中には慣れない人にはギョッとするメニューもいくつかある。今回はそんなイギリスの伝統料理で日本人にはちょっとなじみがなく、見た目のインパクトがある3料理(+おまけの1料理)を紹介したい。

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目次

ウナギのゼリー寄せ(Jellied Eel)

イギリス料理ウナギのゼリー寄せ(Monkey Business Images / Shutterstock.com)
まず1つ目はウナギのゼリー寄せである。これはロンドンイーストエンドの伝統的な料理で、ぶつ切りにしたうなぎを煮込んで冷やした食べ物である。イギリスの伝統料理らしく、見た目はかなりシンプルで質素、日本人からするとかなりグロテスクに見えるかもしれない。ロンドンを流れるテムズ川で昔はたくさんウナギが採れたことから、ロンドン近郊で食べられるようになった料理であるが、現在イーストエンドでもこの料理を出すレストランは少なくなってきており、筆者もロンドンに住んでいたころ数回見かけたのみである。このようにロンドンにイギリス人でもほとんど食べない料理で、今では老人が食べる料理というイメージも強い。 

ブラックプティング(Black Pudding)

イギリスの料理ブラックプティング(Eskymaks / Shutterstock.com)
2つ目の料理はブラックプディングである。イングランド北部で人気がある食べ物で、豚の血に小さく切った脂身、オートミールなどを混ぜてソーセージ状の形にしたものだ。ソーセージ状と言っても、一つはかなり大きな塊になっているため、それを輪切りにして油で炒めて食べる。イングランド北部ではイングリッシュブレックファーストを頼むとよくついてくるのが特徴だ。調理したブラックプディングはその名の通り真っ黒に見えるので、初めて食べるのには勇気がいるかもしれないが、臭みもなく食べやすい。ただ想像できるように、カロリーが高いのが難点である。

ハギス(Haggis)

スコットランドの伝統料理ハギス
最後はスコットランドの伝統料理、ハギスである。イングランドのブラックプディング同様、これも内臓料理であるが、羊の内臓を胃袋に詰めてゆで上げる料理で、スコットランドではスーパーなどで気軽に買うことができる。胃袋に入った状態のハギスはインパクト大だが、実際に食べる時にはマッシュポテトや蕪のマッシュなどの野菜と一緒に食べるため、それほど見た目のインパクトがあるわけではなく、ハーブが効いた肉料理として食べることができる。一年中食べられている料理ではあるが、体が温まる料理として冬の時期に食べるのが人気のようである。

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おまけ: ニシンパイ(Stargazy pie)

(HowTravel編集部)イングランド南部の伝統料理ニシンノパイ(Krista)
ちなみに日本のまとめサイト等では面白おかしく取り上げられるニシンパイだが、イングランド南部の限られた地域のみで食べられている料理とのことで、イングランド在住者何人かに当たってみたが、一様に「食べたことも見たこともない」とのことだった。見た目のインパクトの大きさから、イギリスのビックリ料理の代表格的な扱いを受けてしまっているだけなのかもしれない。

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