Galaxy Note7の電池が原因で爆発事故が発生し、販売の中止が報道され、回収騒ぎとなっている。韓国最大の企業におけるこの問題は韓国国内でどのように報道されているのか、また、韓国人にとってサムスンとはどのような会社か、韓国現地在住ライターがリポートする。

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韓国では、サムスンのリコール対応に称賛し擁護する声が大半か

(現地在住ライター キム・ヒョンジ

今、リコール問題で世界中を騒がせているサムスンだが、1983年に初代会長イ・ビョンチョルが友人2人と3人で設立した三星商会(三星は、韓国語発音でサムスン)が起源だ。精米所から始まり、製糖、服地とその時代ごとに、消費者が求める物を敏感に察知する、類いまれな経営手法により、韓国最大の財閥を作り上げた。このサムスングループの中核となるのが、サムスン電子だ。

サムスン電子は、日本の技術を導入し、真似ることから始めて、日本企業に追いつき、世界のサムスンとなった。そして、このサムスングループは、韓国内で憧れの企業グループとなりサムスンの社員はサムスンマンと呼ばれ、羨望の眼差しで見られるようになった。また、サムスングループの入社試験が凄まじい。新卒者を対象にした入社試験は、年に2回行われ各回に10万人程が受験するが、採用されるのは5000人程度だ。その為、この試験対応の問題集や参考書、予備校まで有るのだ。こういった現象は、サムスンに限った事では無く財閥企業に共通している事では有るが。

今回のリコール問題だが韓国内の反応は極めて冷静である。素早いリコールと新聞への謝罪広告掲載等で、逆にサムスンの対応を称賛する声が多い。筆者の友人でこの機種を購入したユーザーらは、防水機能が向上したので、濡れたまま充電したのが原因で爆発・発火を起こしたのではないか、そもそも、自己管理が悪い為に起こった事で、ここまで過剰に反応するのはおかしいとの反応だ。そして、アメリカの対応は自国企業を保護する為に行っているのではないかとも話す。このように、韓国では韓国最大の財閥サムスンを擁護する意見が大半である。