日本で害虫といえば、まず初めにゴキブリの名を挙げる人は多いだろう。実際、各所で実施される「嫌いな虫ランキング」では、ゴキブリが不動の1位だ。直接的な被害でいえば、蜂やアニサキスに代表される寄生虫の方が大きそうなものだが、あの存在感と見た目からか、ゴキブリは嫌われる虫の代表格だ。

海外でも同じくゴキブリが最も嫌われている虫なのだろうか。他国でよく見かけられる、そして嫌がられている虫を現地在住ライターがリポートする。

※虫の画像が出ますので苦手な方はこの記事を読まないで下さい

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【台湾】発狂!梅雨時期に大量発生する害虫!

(現地在住ライター 山田純シロアリ

台湾の気候はちょうど日本の沖縄のような気候で夏はとにかく高温多湿である。また冬も雨が多く、年間を通して除湿機が必要になるほど常に湿度が高い。

高温多湿と聞いて、日本人がまず思い浮かべる害虫と言えば、ゴキブリだろう。台湾では日本以上にゴキブリに出くわす機会が多い。しかし、筆者がゴキブリよりも悲鳴を上げてしまう害虫が台湾にはいる。

それは「羽シロアリ」だ。一年の中でも最も湿度の高い梅雨の時期に、大量発生する。大雨の夜、電灯に群がる羽シロアリ。鳥肌が立つにはそれだけでもう十分すぎるほどだが、更に身の毛がよだつ光景が目線を下に向けたときに目の前に広がる。電灯下の地面に羽が外れてしまい、胴体部分だけになってしまった羽シロアリがもぞもぞと蠢いているのだ。正に地獄絵図だ。

そしてそれは戸外に留まらず、ほんの小さな隙間から室内に入ってくるのだ。コンビニの明かりに照らされた陳列棚の下には羽のない羽シロアリが転がっている。怯えながら室内に入って安心した瞬間、首元に羽シロアリが付いていたときは発狂寸前になってしまった。

梅雨時の台湾旅行は、羽シロアリに出会う覚悟をお忘れなく。

【イギリス】苦手な虫との共生を目指すイギリス

(現地在住ライター 竹内奈緒美

私がイギリスで多く見かける虫はクモとハチだ。どちらも日本でお馴染みだが、遭遇する回数はかなり多い。春-初秋に窓を開けていると、網戸がないイギリスではすぐにハチが何匹も室内に侵入してくる。クモに至っては季節を問わず、家中のあらゆるところに出没する。

攻撃性を増したハチや不気味な見た目のクモはイギリス人にも不評なようで、庭に設置できる「ハチのお家キット」、ハチを侵入から遠ざけるための「網カーテン」やトラップ、触らずともクモを室外に逃がせるチューブ等が販売されている。

しかしこれらの商品は害虫駆除用というよりも、お互いの生活範囲を区切ろうとするものだ。効果のほどは不明だが、苦手な虫と共生しようという試みには、自然を愛するイギリス人らしさを感じる。