日本企業は従来、海外展開がへたくそであるとされてきた。製造業を除くと日本での売上が過半数であるという企業が多い。

そんな中、日本のメガベンチャーであるメルカリは「日本で稼いだ利益全部をアメリカにぶっこむ覚悟」でアメリカ展開を進めるとしている。実際、メルカリアプリダウンロードが2016年7月時点でアメリカのios総合アプリランキングで3位、ショッピングアプリランキングで1位となった。また、2017年3月15日にはイギリスでもアプリをローンチしている。

日本でのメルカリといえばCMも多く、もはや誰もが知るアプリとなっているが、海外での知名度は?海外現地在住者に聞いてみた。

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【アメリカ】知名度は低め 老舗サイトがライバルのアメリカ

(現地在住ライター 長谷川サツキ

フリマアプリとして一時はアメリカのios総合アプリランキング3位まで駆け上ったメルカリ。その後もほどほどのダウンロード数を保っており、レビューの評判も悪くない。しかしながら実際の知名度はかなり低い。地域差もあるのだろうが、私の周りでメルカリを知っている人は残念ながら一人もいなかった。

アメリカではフリーマーケットの需要が高く、オンラインでも実店舗でも数多くのサービスが展開されている。オンラインのフリマサイトではCraigslistが有名で、全米で知らない人はいないといわれる程の知名度を誇る。メルカリとよく似たサービスならEtsyやeBayが有名だ。メルカリを含め新しいフリマサイトは次々と誕生しているのだが、これらの超有名サイトと戦っていくのは容易ではない。多くのアメリカ人は実績と出品数を重視し、老舗のサイトを好んで使用するからだ。

アメリカにおけるメルカリの知名度は、まだまだこれからといった感じ。老舗サイトと肩を並べるには実績と知名度を積み上げていく時間が必要なようだ。

【イギリス】ライバルサイトの存在とシステムの不便さがネックか

(現地在住ライター 竹内奈緒美

フリマ人気のイギリスにメルカリがやってきた。判断するには時期尚早だが、現時点ではそこまで流行っておらず、現地に住む身からすると今後も爆発的ヒットはないだろうと思われる。

なぜならイギリスには老舗オークションサイトeBayがあり、既にフリマ的やり取りが行われているからだ。

また、メルカリではすべての売買がアプリ上でのみ可能なため、固定ネット回線すら遅いイギリスでは大きなネックになると思われる。いくらモバイルユーザーが増加したとはいえ、そんな状況下で商品閲覧から購入までを小さなモバイル画面で全て完結するのは不便だ。

メルカリは送料無料やサポートなどを特長の一つとして挙げているが、システムの信頼性や不便さなどを考慮すると、それらはさほど魅力的ではないと言える。