富士山のふもとの温泉街には外国人観光客が集まっており、旅館によっては過半数の宿泊者が外国人ということも。外国人をこれほどまでひきつける理由はどこにあるのだろうか。富士山といえば日本人にとって日本の象徴的な山だが、海外での富士山の知名度・イメージは。海外現地在住ライターがリポートする。

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目次

【韓国】富士山の知名度・イメージは韓国でも最高レベル

(現地在住ライター キム・ヒョンジ

韓国においても富士山の知名度は高い。特に中高年層では随分前から登山ブームが広がっており、日本に登山に行く人も多いのだ。元来韓国も日本と同様に山岳信仰の強い国であり、中国と北朝鮮の国境に有る白頭山(ペクトゥサン)は、朝鮮民族の聖地と考える白頭山信仰がある。場所柄、現在容易く行く事は出来ない。

韓国内にも山はいくつか在るが、一番標高が高い漢拏山(ハルラサン)でも1950メートルだ。より高い山や険しい山に登りたいと願う人にとっては富士山は絶好の場所でる。周辺に有る富士五湖や箱根からの景色も素晴らしい。それと何といっても温泉の素晴らしさだ。火山性の天然温泉は韓国に無いので、富士山に行くと登山だけでなく様々な楽しみが味わえると人気が高いのだ。

しかし、限られた旅行日程の海外旅行となると、人気順位では上位には来ないのが事実だ。日本旅行の2回目若しくは、3回目には必ず行きたい場所だ。

【アメリカ】世界文化遺産となるも意外と知名度の低い富士山

(現地在住ライター 長谷川サツキ

アメリカ人に「日本と聞いてイメージするのは?」と質問したところ、寿司、忍者、アニメ、トヨタという回答が返ってきた。富士山は思ったほど知名度が高くなく、知っている人も日本そのものというよりも日本旅行としてのイメージが強いようだ。確かに富士山が登場するのは主に旅行雑誌や旅行会社のポスターのような気がする。世界文化遺産になったこともアメリカではほとんど知られていない。

もちろん日本に興味がある人なら大抵富士山を知っているし、富士山を実際見たことをある人は皆その美しさに感動したと言う。ただ現代においてアメリカ人が抱く日本のイメージは歴史的な風景や伝統文化よりも、日々の生活で目にする自動車メーカー、ポップカルチャーといったものの印象の方が強いようだ。特に若い世代は富士山を知らない割合が多かった。これも時代の流れによる影響なのかもしれない。

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【イギリス】恐怖も含め興味がある人が多い

(現地在住ライター バックリー佳菜子

筆者の住むイギリスでは富士山の知名度は高い。日本観光に行ったことがあるイギリス人に話を聞くと、富士山に行ってみた、もしくは行けなかったが新幹線から富士山を眺められてよかったなど、興味を持っている人が多いことが分かる。また2014年6月に世界遺産に登録されたことからも、一度見てみたいという人が増えているようだ。

しかし、日本に行った事がない人にとっては、2011年の東日本震災以降、火山である富士山が噴火するのでは?と恐怖感をもって富士山の事を見ている人もいるようである。火山をはじめ、高い山がほとんどないイギリス、特にイングランドでは富士山ほど高い山が首都からさほど遠くない位置にあり、しかも火山であるということはなかなかイメージしにくいため、興味につながっているようである。